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ケーススタディ 国内最大規模。地方銀行のVDIにNutanixを採用し20%運用コスト削減
広域リージョナルバンクの挑戦。ITコストをガラス張り!

株式会社北陸銀行様

創業140年。北陸3県に地盤を置きながら、県外に積極的に進出する「広域リージョナルバンク」である北陸銀行。VDIの基盤更改をきっかけに、次期行内イントラシステム更改プロジェクトが開始。ほくほくフィナンシャルグループのシステム会社である北銀ソフトウエアとともに進めた同プロジェクトでは、保守的と思われがちな金融機関が「29ブロック・45ノード」のNutanixを導入。20%の運用コスト削減を見込むとともに、ITインフラにかけていた労力をアプリケーションに集中させることに期待している。

Before/After

課題/目的

  • システムイントラ更新にともない、SI事業者主導ではない納得感のあるIT投資を希望
  • 以前の仮想化ではほど遠いに実現にとどまる
  • 多階層のシステムは導入コストが高く、ランニングコストの秘匿性も手伝い運営におけるハードルが高い

日商エレクトロニクスの支援により、Nutanix導入

効果

  • Nutanixに集約化することでコンピューターリソース利用率が効率化
  • SIに丸投げではなく、自分たちの手でインフラの構築や拡張ができる
  • 現時点で20%削減、将来には更なるインフラ刷新効果を期待。今後は顧客向けサービスへの導入を検討
  • 株式会社北陸銀行
    執行役員 多賀 満 氏
  • 株式会社北陸銀行 総合事務部
    副部長 富永 英司 氏
  • 北銀ソフトウエア株式会社 開発第一部
    担当部長 堀 洋人 氏
企業名:
株式会社北陸銀行様
所在地:
富山市堤町通り1丁目2番26号
設立:
1943(昭和18)年7月31日(創業1877⦅明治10⦆年)
従業員数:
2,265人※2022年3月末現在
URL:
http://www.hokugin.co.jp/ ターゲットブランクアイコン
事業内容:
創業から140年を迎える歴史ある地方銀行。北陸3県に地盤を置きながら、県外に積極的に進出する「広域リージョナルバンク」である。「地域共栄」「公正堅実」「進取創造」を経営理念に国際業務、証券業務、EBなどでも業界をけん引。
企業名:
北銀ソフトウェア株式会社
所在地:
富山市東田地方1-5-25 北銀アルプスビル
設立:
1986(昭和61)年5月
従業員数:
130人※男性43名女性40名
URL:
https://www.hokugin-sw.co.jp/ ターゲットブランクアイコン
事業内容:
昭和61年、北陸銀行のシステム部門が分離・独立して発足。北陸銀行向けシステムのみならず、他金融機関向けシステムの外販も行っている。

課題

広域リージョナルバンクの挑戦

北陸銀行の起点は、明治10年に設立された金沢第十二国立銀行にさかのぼる。加賀藩前田家と日本海海運で活躍した北前船の豪商たちが出資して開業した銀行だ。「日本海の荒海にこぎ出す商人たちの開拓スピリッツが、北陸銀行の企業風土に残っています。何事にも果敢に挑戦する情熱があります」と、北陸銀行 執行役員 多賀 満 氏は説明する。東京への進出は明治25年。明治政府が進めた北海道開拓を支援し、明治32年には北海道に進出し、小樽支店をオープンしている。

北海道銀行と北陸銀行、遠隔地の2銀行が経営統合した、平成16年のほくほくフィナンシャルグループの設立も話題となった。北陸3県を地盤に、北海道、東京、大阪、名古屋など12都道府県に拠点を置く、他には類を見ない広域リージョナルバンクとして歩んできた。
同行の経営理念に『進取(しんしゅ)創造(そうぞう)』がある。「常に創造と革新を追求しています。平成22年に他の金融機関にせんだって導入したVDIシステムもその表れの一つです」と、北陸銀行 総合事務部 副部長 富永 英司 氏は語る。

株式会社北陸銀行 総合事務部 副部長 富永 英司 氏

納得できるITコストとは?シンプルで理想的なインフラを追い求めて

そして今回、このVDIの基盤更改をきっかけとし、次期行内イントラシステム更改プロジェクトが始まった。どのようなシステムを導入するかにあたって、多賀氏には次のような要望があった。「納得のできるIT投資をしたいと考えていました。SI事業者から示された金額にはいつも素直に納得できない点があると感じていました。ハードウエアやパッケージなら価格がはっきりしています。しかし、わからないのがSI費用です。この料金をガラス張りしたいと考えていました」(多賀氏)。

特にスケールアウトにSI費用がかさむため、スモールスタートはできない。しかし最初から余裕のあるシステム構成にすると、リソースが無駄になる可能性がある。いずれにしても腑に落ちない。富永氏も次のように訴える。「リソースのアンバランスをなくして、シンプルにしたいと考えていました」(富永氏)。

金融機関で利用されている多くのシステムは、メインフレームから切り出されオープン化されてきたものである。それらシステムが個々に稼働し、それぞれにピークが異なり、ひどく効率が悪い。この落差をなくし、CPUの使用率を平準化したいが、誰もその解決策を教えてくれない。仮想化を進めてはいるが、前回のインフラ更改時には、理想にははるかに遠いかたちであったと考えている。

株式会社北陸銀行 執行役員 多賀 満氏

ハードウエアも含め自分たちでコントロールしたい!

このような要求を北陸銀行では北銀ソフトウエアに投げかけた。ほくほくフィナンシャルグループのシステム会社であり、ともに銀行システムを構築している同社 開発第一部 担当部長 堀 洋人 氏も同じような疑問を持っていた。

堀氏は「なんとかインフラを自分たちでコントロールできないものか」と考えていたという。「当社はアプリケーション開発と運用の会社で、インフラは主にベンダーやSI事業者の支援を受けています。自分たちの手でもっと簡単にインフラの構築や拡張ができないものか探していました」(堀氏)。しかし従来、サーバーとファイバーチャネルスイッチ、共有ストレージからなる3層システムは、あまりに複雑で簡単に手が出せるレベルではなかった。

北銀ソフトウエアでのNutanixの実績

「こんなときに見つけたのがNutanixでした。2015年秋、イベントで日商エレクトロニクスの講演を聴き、Nutanixのスケールアウトと柔軟性の高さに驚きました。これならばハードウエアも含めて自分たちでコントロールできると思いました」(堀氏)。堀氏は、自社システムでの実績を経て、このシステムであれば銀行システムでも活用できるのではないかと富永氏に相談し、日商エレクトロニクスからのプレゼンテーションの機会を得た。双方で探していたものに出会った気がした。「これならスケールアウトが楽だろうと確信しました。機器を増設する際も、ほんの数クリックでインフラの設定が完了します」(富永氏)。

北陸銀行に先立ち、北銀ソフトウエアでは、銀行システムの開発用としてNutanixを導入。開発自体は短期間で終了するが、その環境はシステムが続く限り、残しておかなければならない。Nutanixの仮想環境にこれらを集約することで、コンピューターリソース利用率が効率化され、無駄なく、柔軟に割り当てることができる。今までのような、無駄なハードウエアリソースへの投資を抑制できるのである。

この北銀ソフトウエアの実績をもとに、2016年春、北陸銀行への導入を決定。その数は、Nutanix Enterprise Cloud Platform NX-3000シリーズとNX-8000シリーズ、合計29ブロック45ノードに及び、国内最大規模となる。さらに、ほくほくフィナンシャルグループを構成する北海道銀行にも導入が進められており、2017年初頭から両行の統合システムインフラとして本格稼働する。

20%以上の運用負荷軽減に期待

今回のインフラ刷新で、最も期待しているのが運用コストの削減である。「20%削減できると期待しています。しかし、これはまだまだ当面の数値で、5年後10年後にはこれ以上の数値になります」と、富永氏は断言する。

Nutanixは構築が容易で、インフラの拡張に数カ月もかける必要がない。稼働中のシステムをストップさせることもない。北陸銀行と北銀ソフトウエアの望んでいた、「自らコントロール」可能なインフラを手にいれることができたのである。

「いくつかのハイパーコンバージド製品を検討しましたが、Nutanixを選んだポイントの一つは、独自の分散ファイルシステムにあります」と、堀氏は訴える。他の製品では、巨大なストレージに、知識の高いエンジニアが丁寧に設計を行い、データを効率的に配置させる必要がある。しかし、Nutanixでは、複雑なストレージの設計を必要とせず、自動的にデータを効率よく配置させる。それをさらに二重三重に冗長化し、高いレスポンスと信頼性を提供する。「私はここにNutanixのイノベーション性があると思います。一朝一夕ではできないシステムであり、他社とは徹底的に異なる点です」(堀氏)。

パートナーとしての日商エレ

日商エレクトロニクスへの評価はいかがだろうか。「VDIの分野については特に素晴らしい技術を持っています。とりわけNutanixについては2012年から国内でどこよりも早くやっているだけあって、卓越したノウハウと実績を持っています」と、堀氏は認める。「透過性があり、マルチベンダーであっても相談しやすいSI事業者だと考えています」(堀氏)。
「北陸銀行では過去に採用した実績がなかったことから大丈夫かという不安もありましたが、まったく問題ありませんでした。安心してまかせることのできる、優秀なSI事業者であり、信頼のおけるパートナーです」と、富永氏も評価する。「北陸銀行は常に新たな『CHANGE』に挑戦しています。それには『TRUST』、すなわち信頼できるパートナーが必要です。この信頼関係が『CHANGE』を生み出すのです」と富永氏は重ねる。

さらなる挑戦へ

さらに、今後は勘定系でも使えるのではないかとさえ語る。「勘定系すべてがメインフレームで稼働させる必要はありません。周辺システムから徐々にNutanixに置き換えていくこともできるでしょう」と、富永氏は主張するのである。「私たちの仕事はインフラを構築することではありません。アプリケーションを開発し、最終的には当行のお客様向けのサービスを充実させることです。Nutanixにより、インフラ回りの作業から解放され、アプリケーション開発に専念できます」と、多賀氏は笑顔を見せる。北前船の時代の『開拓スピリッツ』がいまだに息づく北陸銀行。Nutanixと日商エレクトロニクスの支援を受け、同行の挑戦はこれからも続いていく。

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