2024年の日本の大きなニュースとして、日経平均株価が34年ぶりに過去最高を更新したことが話題になりました。この株高を牽引しているのはAI・半導体関連の企業であり、AI時代の幕開けを予感させました。このような中で、日本の国産クラウドが注目されつつあります。特に、「さくらインターネット」がどのように日本のGAFAになる可能性を秘めているか、詳しく見ていきましょう。さらに、さくらのクラウドと4大クラウド (AWS,Azure,GCP,OCI) をNaaS(Network as a Service) でマルチクラウド接続する方法をご紹介します。
これまでパブリッククラウドと言えば、AWS、Azure といった海外クラウドを採用する企業が多く、国産クラウドが注目されることはありませんでした。
しかしここ最近、さくらのクラウドを運営する、さくらインターネットの株価が2023年12月から、わずか3か月で約6倍に急騰しており、日本中で注目されています。なぜ注目されているのでしょうか?
マイナンバー・戸籍・国民年金などの日本国民の情報を一元化するための政府クラウド基盤である、「ガバメントクラウド」(政府クラウド)に、さくらインターネットの「さくらのクラウド」が国産クラウドとして初めて選定され、2025年度末までに条件を満たす形で採択されました。
これまで、政府クラウドには、AWS、Azureといった海外クラウドしか選ばれていませんでしたが、今回、初の国産クラウドとして採用されたことが大きなニュースになりました。
さくらのサービスは、単なるIaaSやサーバーホスティングだけではありません。現在注目されている生成AI向けクラウドの事業に力を入れています。さくらは運営する石狩データセンター内で、NVIDIAのGPUを2000基以上備えた大規模GPUクラウド基盤を2025年度までに135億円かけて整備する予定です。さらに、さくらの田中社長は、現在のGPUクラウドの需要から見て、今後、1000億、2000億、と投資拡大していきたいとの意向を示しています。
参考URL:テレ東BIZ【社長に直撃】“株価上昇”さくらインターネットが生成AIに攻めの投資。その勝算は?(2023年9月1日)
海外クラウドへの依存によって日本のデジタル貿易赤字は5兆円に達しており、今後、ChatGPTや外資系AIの利用が増えると、さらに貿易赤字が膨らむと予想されます。そこで日本政府は、経済安全保障の観点から、さくらのGPUクラウド基盤の135億円のうち約半分を負担し、2026年度までにクラウド開発向けに最大6億円の補助金を拠出するなど、国策として国産クラウドの育成をバックアップしています。
国産クラウドを利用するメリットとして、為替リスクが少ない点があります。ここ3年で、1ドル100円から150円へと円安が進んでおり、海外クラウドの利用料金は1.5倍になっています。これ以上円安が進めば、引っ越し先として国産クラウドも検討せざるを得えません。最近では、さくら以外の国産クラウドベンダー(IIJ、富士通、NTT)も生成AI向けクラウドサービスの提供に力を入れています。生成AI基盤の開発を通じてIaaSの機能改善が進めば、これまで AWS、Azureを利用していた一般企業においても、通常のIaaS用途として、国産クラウドが選択肢の一つになると思われます。
今後、さくらインターネットは、生成AIクラウドの投資規模が1000億、2000億・・と順調に行けば、将来、日本のGAFAに成長する可能性もありそうですね。
しかしながら、海外クラウドと比べると、国産クラウドにはまだまだ課題があります。
AWS、Azureは世界各地にリージョンがありますが、多くの国産クラウドはリージョンが日本にしかありません。このため、海外拠点を持つ企業の場合、国産クラウドと海外クラウドを併用し、それらを相互接続する必要があります。
AWS、Azureと比べると、国産クラウドは機能が限定的です。例えば、さくらのクラウドには、AWSのAurora、GCPのCloudSpannerのようなNoSQLサービスや、Lambdaのようなサーバレスサービスはまだ見当たりません。
従いまして今後は、国内は為替リスクの少ない国産クラウド、不足する機能や海外拠点は海外クラウド、のようにクラウドを適材適所で使い分け、クラウド間を相互接続するマルチクラウドがポイントになりそうです。
今後はマルチクラウドを採用する企業が増えると予想されますが、異なるクラウドやオンプレミス間の接続には課題があります。
一般的な接続方法として、専用線とVPNがあります。専用線は、毎月料金が固定でかかり、利用できるまでに手間と日数がかかります。VPNは、クラウド毎・オンプレミス毎でオペレーションが異なるため、それらの手順を調べる必要があり、面倒な作業になります。さらに、クラウド毎のリージョン同士はどのように接続するべきか、クラウド間のルーティングやセキュリティはどうするべきか、などの新しい課題も出てきます。余計な手間をかけずに、手軽につないでくれる何かが欲しくなります。
このような接続を手軽にできるのが NaaS (Network as a Service) です。
NaaSはGUIから簡単に相互接続できるため、専門的な知識不要で、4大クラウドも手軽につなげることができます。
専用線は固定で毎月料金がかかりますが、NaaSは使った時だけ料金がかかり、使わない時は0円です。
ここで、弊社が代理店販売しているNaaS製品「Alkira」をハブにして、さくらのクラウドと4大クラウド(AWS,Azure,GCP,OCI)をマルチクラウド接続する手順をご紹介します。
NaaSと、さくらのクラウドのそれぞれのGUIからVPN設定を行います。

- 拡大
- さくらのクラウド - VPN接続画面
NaaSのGUIから、接続したい各クラウドのVCPやVNETを選択します。
下記の画面のようにネットワーク図から絵を描くようにつなぐことができます。4大クラウド側をいじる必要はありません。

- 拡大
- Alkira - マルチクラウド接続画面
このように、NaaSによって、手軽にマルチクラウド接続することができます。
さらに、AWS、Azure の世界各地のリージョン間を自動的につないだり、ルーティングやセキュリティを一元管理することもできます。
こちらのブログもご参照下さい→日商エレクトロニクス - NaaSで国際ネットワークを5分で構築
いかがでしたでしょうか?
さくらインターネットが日本のGAFAになる可能性と、マルチクラウド接続を手軽にするNaaSについてご紹介しました。
日本のデジタル社会に向けたこれらの取り組みに期待しましょう。
なお、弊社日商エレクトロニクスは、さくらインターネットと同じ双日グループのICT企業です。
日商エレクトロニクスでは、AI基盤向けネットワークの構築も行っておりますので、弊社の活躍にもご期待下さい!
参考URL:
Yahooニュース - エヌビディアだけじゃない! AIブームで躍進した3社 アリスタネットワークス(Arista)
BUSINESS NETWORK - 日商エレ、Arista Networks社との販売代理店契約を締結
※Arista・・データセンター向けスイッチメーカー。AIデータセンターの拡大によって需要が急増中。
吉田 健一郎
ネットワーク製品のプリセールスエンジニア
AWS12冠取得に向けて勉強中
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2025年11月4日
HPE Aruba Networking CXスイッチの高可用性 - VSX設定手順
前回の記事では、VMware ESXi環境にArubaCXスイッチを4台デプロイし、OSPFルーティングの設定を行う手順を紹介しました。今回は、ArubaCXスイッチの高可用性機能である「VSX (Virtual Switching Ext
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2025年11月5日 【11/05(水)13:00-14:00】製造・倉庫DXの通信課題をROIで解く!ー Wi-Fi vs ローカル5G(Celona)実データと事例で徹底比較セミナー
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