2022年注目クラウド技術 マルチクラウドネットワーキング
次世代クラウド技術に特化した調査・分析コミュニティであるFuturiomが「THE TOP 10 CLOUD TECH TRENDS OF 2021」を発表しました。 Futuriomが2021年のクラウド技術を振り返り、トップトレンドにZTNA、SASE、ネットワーク自動化などネットワーク関連のテクノロジーが多く含まれる中 マルチクラウドネットワーキング(MCN)もランクインされました。 企業がハイブリッド、マルチクラウドの導入を進める中、MCNの必要性がクローズアップされています。 今回MCNに関して説明します。
■ CXO(CEO,CTO,CIO)■情報システム部門役職者■クラウド戦略担当者
1.MCNとは
企業ネットワーク、データセンター、プライベート、パブリック、複数のクラウドリソースを使用するマルチクラウドやハイブリッドクラウドのクラウド間の接続性を動的にプロビジョニング、管理、制御するために使用できる新しいタイプのネットワーキングインフラがMCNです。 またMCNによりネットワークリソースの仮想化・抽象化が可能です。
MCNはネットワーク仮想化のイノベーションです。 SDNによる第1の波、SD-WANによる第2の波、そして第3の波としてMCNが登場しました。 (参考ブログ; 企業ネットワークWAN変遷/WAN-Cloud統合)
2.MCNに関する調査結果
Futuriomによる2021年のMCNに関する調査・研究によると、MCN技術に対する需要は急速に拡大することが予想されます。
- 調査対象者の83%は、パブリッククラウドとプライベートネットワーク間の接続性をより良く管理するためにMCNソリューションを検討しています。
- 調査対象者の87%は、MCNが全体的なセキュリティ、可視性、ガバナンスの向上に役立つと期待しています。
- 調査対象者の71%は、MCN技術に小額または多額の投資を行うとしています。
3.MCNにおいて注目されるAlkira
2022年、今年MCNにおいて注目される企業として挙げられているのはAlkiraになります。 またAlkiraはコーク・インダストリーズ社のグローバルネットワークで採用されました。 世界70カ国、700拠点をカバーし12万人の社員が利用するネットワークでパロアルトネットワークス(PANW)の仮想ファイアウォールを統合した形で利用されています。 AlkiraのネットワーククラウドとPANWの仮想ファイアウォールを統合することで、エンドツーエンドのオンデマンドセキュリティを提供しながら、シンプルかつ迅速に、安全に企業インフラをマルチクラウドに拡張することができます。 さらにコーク・インダストリーズ社の事例はマルチクラウド展開のユースケースです。当初AWSでクラウドネットワークを展開していましたが、現在はAlkira経由で部分的に再構成し、Azureも追加しています。