2021年7月12日
【ブログ】ビジネスとITの分離を防ぐ知恵識者に聞く「事業部アーキテクトのIT投資」(1)
こんにちは。STech I、HPE製品担当の上條です。 このブログでは、事業部アーキテクト(※)など企業のITシステムのグランドデザインに関与する方、IT 投資に関与する経営層の方などに向け、現在のIT投資の課題と今後の取り組み方について識者に伺った内容をお届けします。 お話を伺ったのは、日本ヒューレット・パッカード合同会社のエバンジェリスト 小川大地氏(プロフィールはこちら)です。 今、企業が直面している数々の問題の根本原因を見つめ直し、新たな一歩を踏み出すためのポイントについてまとめました。 ※事業部アーキテクト:ここでは、各事業部門・業務部門に所属し、企業の経営戦略・ビジネス戦略をもとに、システムやアプリケーションの構想・設計・企画やシステムのグランドデザイン、それを実現するためのシステム全体を形作る構造の設計を行う担当者を指します。
1. 事業部アーキテクトが必ず押さえておきたい課題、全社システムの分断とは?
企業のビジネスにとって、深刻な問題なのが「全社システムの分断」です。全社システムの分断とは、事業部門や拠点ごとに個別にシステムを持つことで、情報やノウハウが共有しにくい状態を指し「サイロ化」と呼ぶこともあります。
まずは次の項目をチェックしてみてください。
もし、1項目でも当てはまっていたら、システム分断が発生している可能性があるので対策が必要です。 ではなぜ、システム分断が企業にとって大きな問題となるのか、その理由を挙げてみましょう。
2. 「全社システムの分断」の根本原因を歴史に学ぶ

「全社システムの分断」がなぜ発生したのでしょうか。 問題解決のためにも根本原因を探るためには、十数年前まで時間をさかのぼる必要があります。
十数年前、サーバ仮想化の技術が普及したことをきっかけに、多くの企業が全社統合基盤を構築する構想を持ちました。しかし、全社統合基盤はすべての企業に浸透したわけではありませんでした。その理由の1つとして、経営層と情シスだけでプロジェクトを進めたことが考えられます。
その結果、事業部門・業務部門などLOB※が置き去りにされ、業務上「使いにくい」システムは使われなくなっていき、使いやすいクラウドなどを独自利用するケースが増えてしまいました。こうして部門が独自にクラウドを利用する「野良クラウド」などが増えていき、全社システムは統合されずに分断が生まれてしまったのです。
※LOB(Line of Business):もともとはビジネスの主要業務、基幹業務や主要アプリケーションを指す。事業部門、業務部門をLOB 部門と呼ぶこともある。ここでは主に、事業部門や業務部門を指す言葉として用いる。
3. 「全社システムの分断」の解決には?
企業がシステム分断を解消していくためには、過去の失敗から学ぶことが重要です。そして、全社統合基盤の構築を進めるためには、業務部門を含めた全社横断的なプロジェクトチームを作ることが欠かせません。その時、ビジネスの成功を見据えるという点では、事業部アーキテクトがプロジェクトリーダーとなり牽引していくことが有効と考えられます。また、グランドデザインが描ける情シスTOPがリーダーとなる場合もありますが、事業部アーキテクトのアドバイスを受けることで、スムーズにプロジェクトが推進できることでしょう。

まとめ
今回、日本ヒューレット・パッカード合同会社のエバンジェリスト 小川大地氏から、現在の企業が直面する重要なIT課題であるシステム分断とその対応について伺いました。重要なポイントを下記にまとめます。
(1)全社統合基盤化にLOBは不可欠 (2)経営層、情シス、LOBが三位一体となり、1チームでプロジェクトを進める (3)ビジネスの成功を見据えると、事業部アーキテクトの関与が重要
本ブログは、小川氏から伺った内容を抜粋してお届けしましたが、詳細はぜひ、下記の資料をダウンロードしてご一読ください。 また、STech Iでは今後も、事業部アーキテクトやCIO・CFO 向けに最適なITインフラ構築とIT 投資に関する情報を提供します。ぜひ最新情報をご確認ください。
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