2021年8月 6日
【ブログ】ハイブリッドクラウド時代のIT投資の勘所事業部アーキテクトが考えたい、今後のIT投資術を識者に聞く(2)
こんにちは。STech I、HPE製品担当の上條です。 事業部アーキテクト(※)など企業のITシステムのグランドデザインに関与する方に向けたブログの第2回のテーマは「IT投資」です。 お話を伺ったのは、日本ヒューレット・パッカード合同会社のエバンジェリスト 小川大地氏(プロフィールはこちら)です。 パブリッククラウドとオンプレミス双方を適材適所に活用する、効果的なIT投資を行うためのヒントにしてみていただければと存じます。 ※事業部アーキテクト:ここでは、各事業部門・業務部門に所属し、企業の経営戦略・ビジネス戦略をもとに、システムやアプリケーションの構想・設計・企画やシステムのグランドデザイン、それを実現するためのシステム全体を形作る構造の設計を行う担当者を指します。
1. クラウド、オンプレミスのメリット・デメリットを理解する
多くの企業でクラウド利用が進んでいます。財務的な観点から考えると、クラウドサービスは初期投資が抑制できる、従量課金、固定資産にならないなど、オンプレミスよりも利点が上回っていると考えられます。一方でクラウドのデメリットとしては、予期しないトラブルによりサービスが停止する心配があることや、セキュリティ上のリスクなどが挙げられます。
オンプレミス環境はクラウドに比べて、初期投資費用が大きい、自社資産になること、運用工数が発生することなどがデメリットとされています。一方、オンプレミスのメリットとしては、ノンストップの需要に応えやすい、変化が少ないビジネス用のシステムとして適していることなどが挙げられます。最近では、「オンプレミスにもクラウドのように従量課金できるサービス(オンプレミスのAs a Service)(※)」も登場しています。

※オンプレミスにもクラウドのように従量課金できるサービス サーバ・ストレージなどのハードウェアをオンプレミス環境で利用しつつ、利用した分だけ課金されるサービス。イニシャルコスト削減、ビジネスの変化に即応できるといったメリットがある。
2. 事例に見るクラウド、オンプレミスの使い分け
パブリッククラウドとオンプレミスを比較しましたが、今や「クラウドかオンプレミスどちらを選ぶのか」、「クラウドファーストが絶対」と考えるより、それぞれのメリットを自社のビジネスに活かしながら、適材適所のシステムを選ぶ考え方が先進企業でも取り入れられています。国内大手ゲーム会社の事例をもとに紹介します。先進事例に注目することで、新たな時代のIT投資のポイントを知ることができるでしょう。
◆某社:オンラインゲームサービスを配信 ◆ポイント: オンラインゲームのライフサイクルにより利用するシステムが異なる。 ・リリース期:開発・運用プラットフォームは共通化(クラウド/オンプレミスいずれでも可) ・ヒット期:急激にユーザ数が伸びる場合にクラウドは対応しやすい。ヒットしすぎるとコスト理由でオンプレミスにすることも。 ・ブーム終了期以降:ブーム後もサービスは継続するので、コスト最適化しやすいオンプレミスで長期利用。
3. 意外に重要なポイント...CIOやCFOのタイプ別攻略法
最後に、事業部アーキテクトがシステム提案をスムーズに進めるためのおすすめの方法を紹介します。それは、CIO・CFOなど経営層の立場や考え方を知っておくことです。CIOやCFOのタイプを知ることで、提案の方法やアプローチの仕方を変えることで、上手にプロジェクトや提案を進められるようになります。ここに取り上げたタイプはあくまで一例ですが、提案をスムーズに進めるためのヒントとして活用してみてはいかがでしょうか。

まとめ
今回、日本ヒューレット・パッカード合同会社のエバンジェリスト 小川大地氏から、事業部アーキテクトが知っておきたいIT投資のポイントについて伺いました。重要なポイントをまとめます。
(1)パブリッククラウドとオンプレミスのそれぞれメリットとデメリットを知り、整理しておくこと (2)パブリッククラウドとオンプレミスの使い分けは、先進的な企業に学ぶ (3)提案やプロジェクトをスムーズに進めるには、経営層のタイプを知ることも大事
本ブログは、小川氏から伺った内容を抜粋してお届けしましたが、詳細はぜひ、下記の資料をダウンロードしてご一読ください。 また、STech Iでは今後も、事業部アーキテクトやCIO・CFO 向けに最適なITインフラ構築とIT 投資に関する情報を提供します。ぜひ最新情報をご確認ください。
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