
2024年10月3日
Nutanixとは?VMwareとの違いを3つのポイントで比較!
2023年、米Broadcom社がVMWare社を買収するというビックニュースがありました。
この買収に伴い注目を浴びるようになったのがNutanixです。
Nutanixを調査する中で、「AHVとは?」「VMware基盤とのちがいは?」といった疑問をお持ちになった方も多いのではないでしょうか?
この記事では、NutanixとVMwareの違いを3つの観点で比較します。
以下のような方におすすめの記事となっておりますので、ぜひご覧ください。
- VMwareからの移行先として、Nutanix導入をご検討中の方
- Nutanixの基本を整理したい方
- NutanixとVMwareの違いを知りたい方
このブログの目次
Nutanixとは
Nutanixは、ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)と呼ばれる、仮想化、ストレージ、ネットワーク、管理などの機能を一体化したシステムを提供する企業です。
GoogleやMetaなどいわゆるビッグテックが保有するような大規模な仮想化インフラ基盤を、一般企業でも容易に利用できるように提供しています。
Nutanixは以下の設計思想に基づき開発されています。
〇ユーザー重視
ユーザーエクスペリエンスを最優先にし、シンプルで直感的な操作性を目指す
〇スムーズな体験
複雑なエンタープライズ環境を簡素化し、少ない努力で大きな成果を生み出す
〇迅速な価値提供
迅速に価値を提供し、大幅にリスクを削減する
5つの特長
Nutanixの特徴を整理すると、以下の5つとなります。
特徴①:スケールやメンテナンスを効率化できる
分散型ファイルシステム(DFS)の採用により、効率的なスケールアウトや負荷のかからないメンテナンスを実現できます。
特徴②:優れた耐障害性
分散型ファイルシステム(DFS)の採用により、効率的なスケールアウトや負荷のかからないメンテナンスを実現できます。
特長③:ベンダーロックインされない
Nutanixを用いた構成では、ハイパーバイザー、ハードウェアともにNutanix社以外の製品も利用可能です。
特長④:管理がシンプル
管理ソフトウェア「Prism」から、Nutanixそのものやハイパーバイザー、仮想マシンまで一元的に管理できます。
特長⑤:ハイブリッドクラウドを実現できる
オンプレミスの仮想化環境とパブリッククラウドを接続し、一元的に管理することも可能です。
できること
Nutanix導入により、以下の3つを実現することができます。
①ベンダー主導のシステムからの脱出
従来の3Tire(サーバ、ストレージ、ネットワーク)を統合し、シンプルで効率的な仮想化環境を構築できます。
②TCOの削減
内蔵型のハイパーバイザー(AHV)を利用すれば、追加の仮想化ソフトウェアライセンスは不要です。調査会社であるIDCによる調査では、Nutanix導入により5年間でTCOを平均62%節約できたとのことです。
③過不足のない仮想化基盤の実現
業務要件が拡大しても、パブリッククラウドと同じようにリソースを無限に拡張できます。
より詳しくNutanixについて知りたい方は、以下の資料もおすすめです。こちらを読めば、Nutanixに関する基礎知識を把握することができます。
\2024年8月アップデート!/Nutanixはじめてガイドをダウンロードする
NutanixとVMwareの違い
ここからは、NutanixとVMwareの比較を行っていきます。下表を見ると、基本的にVMWareに存在する機能はNutanixにも備わっていることが分かります。
Nutanix | VMware | |
---|---|---|
アーキテクチャ | 3Tierモデル | Nutanix HCI アーキテクチャ |
ハイパーバイザー | Nutanix AHV | vSphere ESXi |
ライブマイグレーション | vMotion | |
VMHA (VM High Availability) |
vSphere HA | |
ADS | vSphere DRS | |
スナップショット | スナップショット | |
アフィニティルール | アフィニティルール | |
クローン | クローン | |
AHVテンプレート | テンプレート | |
バーチャルスイッチ | vDS | |
NVIDIA vGPUのサポート | vGPU | |
Nutanix GPT-in-a-Box | VMware Private AI | |
Prism | vCenter Server | |
Kubernetes | Nutanix Kubernetes Engine | vSphere with Tanzu |
高度なレプリケーションとDR | レプリケーション機能 | vSphere Replication |
DRのオーケストレーション | SRM | |
Metro Availability | SRM | |
FVN | NSX | |
FVN East-Westトラフィックのルーティング | NSX Distributed Router | |
FVN 外部ネットワークとの接続 | NSX Service Router | |
マイクロセグメンテーション アプリファイアウォール |
Flow Network Security | VMware Firewal |
マイクロセグメンテーション | VMware Firewall | |
ネットワーク・セキュリティ・プランニング | VMware Firewall | |
高度なインテリジェントなオペレーション | NCM Intelligent Ops | Aria Operation |
ダッシュボード | Aria Operation | |
分析セッション | Aria Operation | |
異常検出 | Aria Operation | |
キャパシティフォーキャスト | Aria Operation | |
オーバーサイジング状態のVMの適正化 | Aria Operation | |
アプリケーションの自動化/オーケストレーション/セルフサービス | NCM Self Service | Aria Automation |
セルフサービスマーケットプレイス | Aria Automation Service Broker | |
ブループリント | Aria Automation Cloud Assembly | |
Runbook を使用したオーケストレーション | Aria Automation Orchestrator |
|
コスト/ガバナンス | コストガバナンス機能 | Tanzu CloudHealth |
以下の資料では、詳しく両者の比較を行っています。より詳しくNutanixとVMwareの違いを知りたいかたは、ぜひこちらの資料もご覧ください。
NutanixとVMwareを徹底比較!続いて、これらの中でも注目される3つの観点について、詳しく両者の違いを紹介していきます。
①システム構成|3TierとHCI
VMwareとNutanixでは、システム構成に大きな違いがあります。VMwareは3Tierモデルを採用している一方で、NutanixはHCI(ハイパーコンバージドインフラ)を採用しています。 物理サーバー、ストレージ、SANスイッチからなる3Tierモデルと比較し、HCIは物理サーバーとソフトウェアのみで構成されます。3Tierモデルと比較すると構成がシンプルであるため、設計や構築に加え、拡張も容易である点にメリットがあります。
② ハイパーバイザー|ESXiとAHV
VMwareでは、ハイパーバイザーとしてvSphere ESXiを利用することとなります。一方で、Nutanixでは同社が開発した独自のハイパーバイザー「AHV」に加え、ESXi、Hyper-Vを利用することもできます。 様々なハイパーバイザーに対応しているNutanixですが、基本的にはNutanix AHVの利用がおすすめです。この理由は、AHVはNutanixのライセンスを購入すれば追加費用なしで利用できるというメリットがあるためです。 機能面でも、エンタープライズ用途に対応できる品質であり、ESXiとも引けはとりません。また、セキュリティ面や学習コスト面にも優れます。
<AHVの3つの特徴>
1)Nutanix HCIの性能を最大限引き出すハイパーバイザー
エンタープライズユーザーが求める使い勝手とI/Oパフォーマンスの向上が追及された、Nutanix HCIの性能を最大限引き出すためのハイパーバイザーです。
2)高いコスト削減効果
AHVはNutanixのライセンスを購入すれば別途ライセンスを購入しないで利用できるため、ハイパーバイザーのライセンス費用を節約できます。
その他、「最小限の学習コスト」「エンタープライズグレードの機能と性能」「堅牢かつ運用しやすいセキュリティ」「エッジやクラウドにも対応」といった特徴も備えます。
3)VMwareと遜色ない機能
リース後10年が経過しており、技術的に成熟しています。機能面でもVMwareと遜色はなく、現在では、Nutanixユーザーの69%が利用する製品となっています。
③管理
ESXiでは一般的にVMware vCenter Serverを利用して仮想化基盤の管理を行うこととなります。Nutanixでは、同等の機能が「Prism」として用意されています。 VMwareでは、監視用コンポーネントを別環境で構築できるなど、用途や目的に合わせてオプションの幅が広いことが特徴です。一方でNutanixでは、構成情報、リソース、健全性、アラート、ハードウェア、アップデート、VM、バックアップやDRなどをPrismのみで管理できる点が優れます。 さらに、AHVやESXi、Hyper-V、Xen Serverなどの複数のハイパーバイザーが混在していても一元的な管理が可能です。
Nutanixへの移行方法
最後に、Nutanixへの移行をご検討されている方へ、Nutanixへの移行方法をご紹介します。
Nutanix Moveとは
Nutanixへの移行方法は様々ですが、おすすめはNutanix Moveを用いる方法です。Nutanix MoveはESXiやHyper-Vなど異なる環境からNutanix環境への移行をサポートするツールです。
オンプレミスの既存仮想環境だけでなく、AWSやAzureなどのパブリッククラウドへの移行にも対応します。
Moveではデータの事前転送を行いつつ、カットオーバー時に差分データのみをアップデートする手法を採用しています。これにより、既存環境のVMの停止時間を最小化することができます。
さらに、Moveは無償で利用できるという点もおすすめポイントです。
Nutanix導入に必要なもの
Nutanixを導入するためには、大きく以下の3つが必要です。
〇ハードウェア機器
Nutanixでは、同社が認証している幅広いメーカーから製品を選択できます。使い慣れたメーカーのサーバーを利用することも可能です。
〇Nutanixライセンス
Nutanixのライセンスには様々なエディションがあるため、用途により選択します。たとえばIT基盤の用途ではNCIライセンスを利用することとなります。
〇構築作業・設置費用
当社含め、ベンダーにより構築・設置を行います。ベンダーによりコストは異なりますので、まずはお問い合わせください。
Nutanixの導入方法についてさらに詳しく知りたい方は、VMwareとの違いから移行方法まで、1時間で解説するセミナーもあります。ぜひこちらもお申し込みください。
\ 構成や費用イメージも含め解説 /NutanixとVMware徹底比較セミナー
まとめ
この記事では、NutanixとVMwareの仮想化基盤について詳しく比較を行いました。
Nutanixは世界最大級のテック企業が構築するようなスケーラブルで柔軟なインフラを、一般企業でも手軽に導入できるようにした画期的なソリューションです。
VMwareと比べても機能面での差もなく、AHVやPrismといった独自の技術も利用できます。
Nutanixの導入やVMwareからの移行についてご興味のある方は、お気軽に当社までお声がけください。