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Arista Innovate 2025 レポート ~ 世界シェア1位の
AIインフラ技術が変える企業ネットワークの未来像
2025年12月、タイ・バンコクにて開催された「Arista Innovate APAC 2025」に参加しました。AIブームの波に乗り、GoogleやMicrosoftなどのハイパースケーラーに採用され、高速スイッチ市場でCiscoを抜いて世界シェア1位となったAristaは、AIインフラで培った技術力を武器に、エンタープライズ市場へ本格的に参入しようとしています。なぜ、Aristaがハイパースケーラーに選ばれ、そして今、企業ネットワークの主役に躍り出ようとしているのか。
本ブログでは、イベントで見えた「オープン、最速、拡張性」のキーワードをもとに、Aristaが描く次世代のインフラ像についてレポートします。
吉田 健一郎
ネットワーク・クラウド製品のプリセールスエンジニア
1. なぜAristaはハイパースケーラーに採用されるのか?
イベントの冒頭、CEOのJayshree Ullal氏は、Aristaのこれまでの歩みと成長の軌跡について語りました。
2004年に創業したAristaは、当初はDC向けのサーバー接続用スイッチを提供する小規模ベンダーでした。
急成長のきっかけとなったのはGoogleの厳しいRFPをクリアしたことです。その後、MicrosoftやMetaといったハイパースケーラーに次々と採用され、
AIブームやコロナ渦によるDC需要の高まりを追い風に、2023年にはDCスイッチ(10G以上の高速ポート)でついにCiscoを抜き世界シェア1位になりました。
Aristaがハイパースケーラーに採用された理由は、以下の点があるとのことです。
- 一貫性とオープン性
全モデルで共通のEOSを搭載。APIによる外部制御が可能、シンプルさとプログラマビリティを備えている。
また、標準技術のみで構成しているため、マルチベンダー拡張が容易。
- 最速の製品リリース
Broadcomの汎用ASICを採用し、ムーアの法則に沿う形で 2 年ごとに高性能化を実現。
長年の協力関係により、最新ASICを最速で製品化。イベントでは800G対応の7060X6(Tomahawk 5)や7800R4(Jericho3-AI)が披露された。
- 拡張性
数万台規模のサーバーを収容可能な、Aristaで多くの採用実績のあるSpine-Leaf構成を活用。
「オープン、最速、拡張性」がハイパースケーラーのニーズに合致し、今後、エンタープライズにおいても武器となることがイベントを通して強調されました。
参考URL:
2. AIネットワークのオープン化「RoCEv2」「UEC」
AIブームの裏側で、ネットワークにはかつてない高度な性能が求められています。
その理由は、AI学習の通信特性が、我々が普段使っているWEB通信とは根本的に異なるためです。
AI学習の通信特性
AIの学習では数千個のGPUが同時に計算を行います。パケットロスや再送が発生すると、AI学習の計算結果が出るまでに待ち時間が増加し、GPUの利用効率が悪化します。これは数千億円を投資したGPUが遊んでいる状態になり、巨額の損失になります。
ロスゼロを実現する技術
この問題を解決するために、CPUを介さずGPU同士が直接データをやり取りするRDMAが不可欠で、現在は以下の方式があります。
- NVIDIA 独自規格 InfiniBand
- 汎用イーサネット上でRDMAを実現するRoCEv2
パケロス防止の3技術
- PFC (ロスレス制御)
- DLB (動的負荷分散)
- ECN (輻輳通知)
次世代規格 「UEC 1.0.1」
UEC(Ultra Ethernet Consortium)1.0.1 の仕様やロードマップが提示されました。
いよいよ特定ベンダー依存から脱却し、オープンなAIインフラ標準化への転換点になるように感じました。
以下は、イーサネットがAI学習においても実用レベルの性能を持つことを実証した、当社の検証レポートになります。
参考URL:
【検証レポート】EthernetはAI学習を加速させる!その実力と可能性 | STech I Lab | 双日テックイノベーション(STech I)
3. キャンパス市場へ本格参入「Universal Spine-Leaf」「SWAG」
企業ネットワーク向けのさまざまな技術が紹介されましたが、以下に一例をご紹介します。
-
DCの技術をオフィスへ「Universal Spine-Leaf」
従来はDCとオフィスのネットワークは別物として設計されてきましたが、現在、大規模DCの標準系であるSpine-Leafをオフィスにも適用することで、
「運用の一貫性」「拡張性」「階層管理の削減」、を実現できる旨が示されました。
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待望のスタック機能「SWAG」
複数スイッチを 1 台の論理スイッチとして扱うスタッキング機能(SWAG)がついに実装。
これにより、拠点〜キャンパスまで使い慣れた運用手法でAristaを導入可能になるようです。
4. AIによる運用自動化の拡充
そこで必須となるのが、AIを活用した「AIOps(運用の自動化)」です。
Aristaでは、「Cloud Vision」へ以下のような機能を順次実装することで、AIOpsを実現していく旨を示しました。
AIアシスタント「AVA(Arista Virtual Assistant)」
- 「昨晩遅延した原因は?」と質問すると数テラバイトのログをAIが数秒で分析
- 設定ミスや異常を即座に特定
これまでエンジニアが数時間かけていた作業が、短時間で自動化されるようです。
事前検知と自己修復
AIが障害の兆候を検知し、自動で設定を調整して通信を維持する「自己修復」を実装予定。
ネットワークが自分で治す未来が来ています。
その他拡張技術
- UNO:他社製NW/SVの可視化
- AGNI:NAC認証基盤
など、エンタープライズ向け機能も急速に拡充していることが確認できました。
5. まとめ:Aristaが描く企業ネットワークの未来像
AIインフラの最新情報から自動化まで、次世代のネットワークを体感できるイベントでした。
「オープン、最速、拡張性」を掲げてGoogleのRFPから始まったAristaの挑戦は、2026年、エンタープライズネットワークの未来を変えようとしています。
Arista製品について詳しい説明をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください!
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