
エンジニアブログ 【ロードバランサ】Citrix ADC新製品のご紹介
Citrix社ロードバランサであるCitrix ADCにて新製品がリリースされました。 新製品はMPX9100 シリーズとなり3ラインナップ(MPX9110、MPX9120、MPX9130)ございます。 本記事ではMPX9100シリーズの詳細、またデータシートのパフォーマンスが本当に発揮できるか検証した結果をご紹介します。

小松 大晟
Citrix ADCをはじめとしたデータセンターネットワーク製品のプリセールスエンジニアをしています。
写真は青山にあるパンケーキです。
美味しかったのでおすすめです。
1. MPX9100シリーズとは
MPX9100シリーズは2022年3月にリリースされたCitrix ADC新製品となります。
スタイリッシュな外観となりました。
MPX9100 シリーズのラインナップは、MPX9110、MPX9120、MPX9130の3モデルとなります。
この3モデルの主な違いはHTTP ThroughputやSSLトランザクション数などのパフォーマンスとなります。
ライセンスを変更することで下位モデル(MPX9110、MPX9120)から上位モデル(MPX9120、MPX9130)にアップグレードすることが可能です。
3モデルのデータシートスペックは以下となります。
参照URL:Explore the Citrix ADC MPX/SDX data sheet - Citrix Japan
2. MPX8900 シリーズとの比較
MPX9100 シリーズはMPX8900 シリーズの後継機種となります。
そこで各シリーズの最上位モデルである、MPX8930とMPX9130を比較してみました。

MPX9100シリーズはMPX8900シリーズと比較して大きく2つの特長がございます。
1.25Gインターフェース(SFP28)のサポート
- 現在のデータセンターでは25GEが主流となっていることからMPX9100シリーズでは25GE(SFP28)を採用しております。
2.SSL処理性能の向上
- 昨今の通信は90%以上がSSL通信といわれていおり、SSL処理性能が重要となっております。
MPX9100シリーズでは次世代 Intel SSL ChipであるIntel Lewisburgを搭載することによりSSL処理性能が大きく向上しております。
3. 他社製品との比較
次に他社製品との比較を実施しました。今回はA社とB社の2社と比較しました。
※HTTP Throughputを基に比較モデルを選定しました。

上記から分かる通り、A社B社と比較し全てのSSL処理性能項目にてMPX9100シリーズが優れています。
特にMPX9130のSSL TPS(2K)の値はA社製品のHTTP Throughputが40Gbpsと上位モデルにも関わらず、1.5倍の性能を誇ります。
このことから、同等HTTP Throughputモデルにおいて、全てのSSL処理性能にてMPX9100シリーズにて優位性があることがわかります。
4. パフォーマンス検証機器/検証項目/構成図
先述したスペックはデータシート上のスペックであるため実際のスペックがどうなのか気になる方が多いのではないでしょうか。
そこで実際にMPX9100がデータシート通りのスペックを持ち合わせているかどうかパフォーマンス検証を実施し確認してみました。
今回のパフォーマンス検証ではMPX9130が検証機器となります。
パフォーマンス検証では下記の赤枠部分のデータシートスペックを確認してみました。
検証項目
①HTTP Throughput(Gbps):30Gbps
②HTTP Request/Sec:2,100,000
③ECDHE/RSA TPS:19,000 ※TLS1.2-ECDHE-RSA-AES128-GCM-SHA256 のcipherを使用しました。
パフォーマンス測定にはL4-L7テスターであるIxloadを使用しました。
構成図は以下となります
各検証項目に合わせて1つずつVIPを作成し、3パターンの検証を実施しました。
各検証項目の具体的な条件は以下となります。
HTTP Throughputの検証項目では転送量を増やすためコンテンツサイズを4000 byte、HTTP Request/SecやECDHE/RSA TPSの検証項目ではトランザクション数を上げるためコンテンツサイズを1 byteと設定して検証を実施しました。
5. 検証結果
検証結果は以下となりました。
①HTTP Throughputはデータシートスペックを超えた値を確認
②HTTP Request/Secはデータシートスペックである2,100,000を大幅に超えた値を確認
③ECDHE/RSA TPSはテスター限界により最大値は未確認
※SSL Chip使用率はテスター最大値でも余裕のある値(使用率:41%)であることを確認
上記検証結果から分かる通り、検証した全ての項目にてデータシートスペックを超えた値を確認しました。
特にECDHE/RSA TPSの値に関してはデータシートスペックである19,000TPSに近い、18,326TPSを処理していてもSSL Chipの使用率は41%となっていました。今回はテスター限界値のためこれ以上の値を確認できませんでしたが、使用率からもデータシートスペックはゆとりを持って超えることができると想定されます。
MPX9100シリーズの特長であるSSL処理性能を実感できる結果となりました。
以下値を確認した際のログ(キャプチャ)です。
①HTTP Throughputの最大値を確認した際のMPX9130のGUI画面は以下
赤枠からHTTP Request/Secが"2,7832,868"出ていることが確認できます。
②HTTP Request/Secの最大値を確認した際のテスターのGUI画面は以下
赤枠からHTTP Request/Secが"2,7832,868"出ていることが確認できます。
③ECDHE/RSA TPSの最大値を確認した際のMPX9130のGUI画面は以下
赤枠からECDHE/RSA TPSが"18,326"出ていることが確認できます。
青枠からSSL Chipの使用率が"41%"であることを確認できます。
6. まとめ
次世代Intel SSL ChipであるIntel Lewisburgを搭載したMPX9100 シリーズは、データシートスペックやパフォーマンス検証結果の通り、MPX8900シリーズや他社製品と比較しても十分なパフォーマンスを誇ることがわかりました。
MPX9100シリーズは日商エレクトロニクスとしておすすめできるロードバランサとなります。
ロードバランサを導入の際はぜひMPX9100 シリーズを導入してみませんか。
その際はぜひ日商エレクトロニクスにご相談ください。

日商エレクトロニクスは、Citrix社と20年以上のパートナーシップを誇り、2017年から2021年までCitrix ADCの国内販売実績 5年連続NO.1となっております。
また、Citrix ADC専用ラックがあり、その中には今回パフォーマンス検証で使用したCitrix ADC専用のL4-L7テスター(Ixload)も保有しております。Citrix ADC専用のトレーニングメニューもございますので導入前の不安を解消することも可能です。
7. 動画で解説
本記事の内容については、動画でも解説しておりますので、興味のある方は画像をクリックください。

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