ネットワーククラウドの先駆者「Alkira」ってどんな会社?
マルチクラウドの浸透とともに期待されているネットワーククラウド「Alkira」。 「Alkira」を生み出したKhan兄弟はどのような人物なのか、どのようにサービスを構築していたのかをテクノロジーパートナーの紹介も含めて紹介します。
目次
■クラウドネットワークに興味をお持ちの方 ■情シス担当者
1.設立4年、創設者はSD-WANの先駆者「Khan兄弟」
Alkira社は2018年に米カリフォルニア州サンノゼに、シスコシステムズが買収したSD-WANベンダーであるViptela社の創設者2名(元CEO:Amir Khanと元CTO:Atif Khan)が設立しました。
創設者について
Amir KhanはViptela社がシスコシステムズに買収される前、市場をリードするクラウドファーストのSD-WAN事業を立ち上げて率いたコンピュータネットワークの鋭い見識を持った人です。 Viptela以前は、Cisco、Juniper、Nortelで指導的な役割を担っていました。
Atif Khanはルーティングのエキスパートとして知られ、画期的なネットワークソリューションを市場に送り出しており、最大かつ最も洗練されたグローバルネットワークを構築してきたといった豊富な経験を有しています。 Viptela社買収後は、シスコシステムズのエンタープライズネットワーキングビジネスのシニアディレクターを務めていました。
2. 超有名投資家が注目するシリコンバレーの有力株
Sequoia Capital, Kleiner Perkins, GV(旧Google Ventures)等、トップベンチャーキャピタル3社からの資金調達に成功しています。 Sequoia Capital 米国カリフォルニア州メンローパークに本部を置く米国を代表するベンチャーキャピタルです。Apple、Google、Zoom、Instagramなどに投資をしています。 Kleiner Perkins 米国カリフォルニア州メンローパークに本部を置く米国を代表するベンチャーキャピタルです。 Amazon、Twitter、Uber、slackなどに投資をしています。 GV(旧Google Ventures) GAFAの一角であるアルファベットが所有するベンチャーキャピタルです。Uber、slack、Docu Signにも投資をしています。
ほかにも、Gartnerが2020のCool Vendorに選出したこともあり、市場価値としては高い場所に位置していると言えます。
3.なぜAlkiraは生まれたのか
これまでのネットワーク変遷として、SDN→SD-WANという大きな流れが生まれ、たどり着いたのが、複数のクラウド間、クラウド内部/ネットワーククラウドを意識したMCNだったのです。 (参考ブログ; 2022年注目クラウド技術 マルチクラウドネットワーキング) (参考ブログ; 企業ネットワークWAN変遷/WAN-Cloud統合)
Alkira社の創設者のKhan兄弟は、これまでのネットワークエンジニアとしての知見を活かしクラウドの顧客調査から始めました。 マルチクラウドに移行する際の課題として、クラウド同士の接続性、クラウド上のファイアウォール、ロードバランサ、IPアドレスなどの設定の複雑さに目を付け、顧客とともに深堀をしました。 そして、他のSaaSサービスと同じようにハードウェアを自社で持たない、グラフィカルに設計されたポータル画面で40分ほどでグローバルなネットワークをプロビジョンできるサービスを構築します。
そのような経緯でAlkiraというサービスがリリースされ、グローバル統一クラウドネットワーク基盤「ネットワーククラウド」を業界で初めてas-a-serviceで提供できるようになりました。 基本的なAlkiraの要素は以下です。 1)ハイブリッドおよびマルチクラウドネットワークのための接続性 2)ネットワークとセキュリティの統合サービス 3)エンドツーエンドの運用の可視性とガバナンス 機能詳細はコチラをご覧ください。(参考Webサイト; Alkira詳細ページ)
現在、接続可能なパブリッククラウドはAWS、Azure、Google Cloud、Oracle Cloudです。連携可能なセキュリティベンダーはPalo alto Networksに加え、Check Point Software Technologies、シスコシステムズ、Zscalerに増えています。 料金体系はas-a-serviceならではの従量課金制になりますが、データ通信量が多いお客様のためにデータ利用料無制限の料金体系もリリースされ、機能面に限らず進化を続けています。 発展途上のAlkiraはユーザー要望に応じて、よりユーザーが使いやすい機能を順次追加していきます。
4.テクノロジーパートナーと形成するAlkiraエコシステム
今日、Alkiraとクラウドをつなげ、End to Endの監視ができているのは大手クラウドとの共同開発があったからです。 セキュリティ連携機能はクラウドならではのエコシステム形成とすることで、名のあるベンダー製品を利用して安全・安心ネットワークの設計をすることが可能になっています。 ここでは、テクノロジーパートナーをいくつか紹介します。
パートナーについて
現在のテクノロジーパートナーは以下です。
- AWS
- Azure
- Google Cloud
- Oracle Cloud
- Aruba Networks
- Palo alto Networks
- Check Point Software Technologies
- シスコシステムズ
- HashiCorp
5.名だたる企業が既にAlkiraを採用
ここでは、Alkiraを採用した事例を簡単に紹介していきます。
Koch Indastries 米国最大級の製造業者で、多彩な企業グループでオイル・ガスや・ソフトウェア・データアナリティクスを取り扱っています。 Tekion 世界最⾼クラスのビジネス・アプリケーションである⾃動⾞⼩売向けクラウドプラットフォームをクラウド上で提供しています。 Warner Music アメリカ合衆国のレコード会社で、ユニバーサル ミュージック、ソニー・ミュージックエンタテインメントと共に、世界3大レーベルの一つとなっています。なぜ採用されたのか、次回以降のブログにて紹介します。
まとめ
Alkiraというサービスがリリースされてからあまり日が経っていませんが、Alkiraのテクノロジーパートナー企業は続々と増え、それに伴ってAlkiraから提供される機能も増えてきています。今後Alkiraがどのようにユーザーのニーズに応えていくのか、マルチクラウドの需要が高まっていく現在、注目すべき要素になっています。