クラウド戦略におけるGCPという選択肢
ハイパースケールクラウドサービスとしてAWS、Azure、GCPが存在し、マーケットシェアも同様の並びで利用されています。 そのような中で企業におけるDX実現に向けたクラウド戦略においてマルチクラウド支持が大勢を占めているのは自明の理です。
(参考ブログ; マルチクラウドのメリットとは?~課題や導入ポイントについても解説~)
またマルチクラウドにおける選択肢もハイパースケールクラウドサービス同様にAWS、Azure、GCPの組合せが多い中で 先行者利益であらゆる業種業界で利用され、クラウド化の実績が多いAWS、Windowsとの親和性やオンプレミス連携で選択されるAzureとこれらはある程度ポジショニングが存在しています。 そのような中でGCPはどういう位置づけなのでしょうか?第三の選択肢としてのポジショニングを確立できているのでしょうか? 本コラムでは既に特定業界で勢力図の逆転を起こしている事実をもとに第三の選択肢であるGCPに関して企業のクラウド戦略としてGCPを選択するメリットを述べます。
■CXO(CEO,CTO,CIO) ■情報システム部門役職者■クラウド戦略担当者
1.データ利活用ならGCP
Canalys社の2020年8月リリースの市場動向レポートによるとGCPは小売・電子商取引分野/オンラインショッピング向けのクラウドサービスプロバイダーとして、 市場全体のリーダーであるAWSや2位のAzureを上回り、1位にランクインしています。 またGCPの顧客には、Costco、Metro、Targetなど、世界有数の小売企業が数多く含まれ、国内でもセブン―イレブン・ジャパン、ファーストリテイリング、ニトリなど事例も多く存在しています。
検索放棄を"Retail Search"で解決 より顧客を重視し、データを活用することを支援
ではなぜ、小売業でGCPが支持されるのでしょうか? 購入希望者が小売店のサイトで商品を検索したものの、探している商品が見つからない「検索放棄」は、米国だけでも小売店に年間3,000億ドル以上の損失を生じていると言われています(cloud.google.comより)。 そこでGoogleは小売業者にGoogle品質の検索を提供するための専用ソリューションRetail Searchを提供し、商品発見の効率化と検索放棄の削減を実現しています。 これは小売業者にGoogle品質の検索機能を提供することで購入希望者の意図と文脈に関するGoogleのナレッジにより購入希望者に質の高いショッピングを提供します。 また検索に関連した情報を広告画面で表示することで購買意欲を高める工夫も行っています。 さらにビッグデータ処理、AI/Machine Learningによる高度な分析によって購入希望者をより深く理解し、最適化できるようにしています。
2.GCP含めたマルチクラウド
このようにGoogleがコンシューマサービスで培い、小売業で支持された実績がDXを推進する企業におけるデータ利活用分野へ波及することは容易に想像できます。 GCPは膨大なデータ分析を様々な角度から行い、その結果を検索により抽出しています。また関連情報もアシストしてくれています。 よって汎用的にはAWSを使い、ハイブリットとしてAzureを組合せ、データ利活用はGCPで行うマルチクラウド化が一つの企業におけるクラウド戦略としてのベスト・オブ・ブリードとなり得ます。
3.異なるクラウド間をつなぐネットワーククラウド
AWS、Azure、GCPのマルチクラウド利用に伴い異なるクラウド間をつなぐ際にネットワークが肝となっています。 その際にセキュアに簡単に利用可能なネットワークサービスであるネットワーククラウドのリーディングカンパニーAlkiraのサービスを紹介していきます。

Alkiraのネットワークを利用することでユーザーが利用するデバイスを含めたエンティティベースで識別・認証・認可を行うSASEとして利用が可能であり、 接続対象としてAWS、Azure、GCPのクラウドとオンプレミス、データセンターなどの従来の拠点サイトと接続することが可能です。 またユーザー、サイト、クラウドの接続性を確立した後異なるクラウド間のネットワーク連携やネットワークトラフィックの可視化、 境界毎にNGFWをデプロイすることで従来のオンプレミスへのセキュリティレベルをクラウドで提供することができます。