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ケーススタディ 旧会計システムMINTSからの脱却
― GRANDITで営業・会計システムを統合

三菱商事プラスチック株式会社

三菱商事グループで合成樹脂原料・製品ならびに関連商品の国内取引、輸出入取引を主な事業とする三菱商事プラスチック株式会社(以下、三菱商事プラスチック)は、営業システムのサーバーOSがサポート終了を迎えたのを機に、純国産ERP「GRANDIT」による営業システムと会計システムの統合を決断した。システム統合と会計システムの刷新により、データ連携で発生する業務分断を解消し、ペーパーレス化を実現した。

Before/After

課題/目的

  • 営業システムと会計システムのデータ連携処理がリアルタイムに連携しておらず、業務の分断が発生していた
  • 会計システムを中心に紙を配布する業務が残っており、ペーパーレス化の足かせとなっていた

「GRANDIT」を導入

効果

  • 営業システムと会計システムを統合することで、データをシームレスに参照可能に

  • 紙で運用していたプロセスを電子化し、年間で23,000枚の紙を削減

企業名:
三菱商事プラスチック株式会社
所在地:
東京都千代田区丸の内一丁目8番3号 丸の内トラストタワー本館11階
設立:
1989年11月15日(営業開始:1990年4月1日)
従業員数:
210名
URL:
https://www.mcplas.co.jp/ ターゲットブランクアイコン
事業内容:
三菱商事の100%子会社として、合成樹脂原料・製品ならびに関連商品の国内取引、輸出入取引、パレット・コンテナー・ラックなどの物流関連資材、器材の販売・賃貸借及び管理業、コンビニエンスストアなどリテイラー向け用度品、物販商品の国内取引、輸出入取引、成形加工機械、包装機械及びこれら機器部品の販売・輸出入・賃貸借、電子機器用部品の販売・輸出入、各種システム・エンジニアリング、及びその他ソフトウェアの企画・開発・販売、情報処理サービス、知的財産権などの事業を展開する。
(参考:https://www.mcplas.co.jp/company/about/company.pdf)

導入前の課題

「データ連携の非効率性」と「紙業務」が課題に

三菱商事プラスチックは、三菱商事マテリアルソリューショングループのプラスチック専門商社だ。プラスチックを取引するプロ集団として、食品、飲料、自動車、家電、電子部品、物流資材など、多岐にわたる業界において求められる品質・コストを満たす製品を世界中から調達し、提供している。

近年では、リサイクルの基本である3R(Reduce、Reuse、Recycle)の社会実装を通じて、持続可能なプラスチック循環社会の実現に貢献し地球環境に優しい社会を築くため、継続的に努力を重ね、革新的な取り組みを進めている。

三菱商事プラスチックのビジネスを支える基幹システムの導入プロジェクトを開始したのは、2022年10月のことだ。プロジェクトでは、GRANDITによる営業システムと会計システムの統合が実施された。営業システムについてはGRANDITのバージョンアップ、会計システムについては三菱商事グループシステムであるMINTSからGRANDITへの移行という形でプロジェクトが進行し、2025年4月に運用を開始した。

基幹システムの刷新を検討したのは、営業システムのサーバーOSがサポート終了を迎えることがきっかけだが、「業務上いくつかの課題を抱えており、次期基幹システムで解消したいと考えていました」と三菱商事プラスチック 情報システム部 課長 梅本 創 氏は当時を振り返る。

大きな課題は2つあった。1つ目は、営業システムと会計システムがリアルタイムに連携されていなかったことだ。既存システムでは、1日に数回、営業システムの注文データを会計システムに連携する処理を行っていた。そのため連携処理が終了するまで財務部門で支払伝票を出力することができず、業務の中断を余儀なくされていた。また、双方のシステムでデータ整合性を確認する必要があり、余計な労力がかかっていた。

2つ目は、紙の業務が多いことだ。会計システムで紙を配布するプロセスが多く、膨大な紙を管理する労力や保管コストが重い負担となっていた。

三菱商事プラスチック株式会社 情報システム部 課長 梅本 創 氏

選定理由・導入の流れ

既存システムとして評価の高かったGRANDITによる統合を決断、双日テックイノベーションを導入パートナーに

こうした問題を解消するべく、同社は次期基幹システムの検討を開始した。営業システムと会計システムを同時に刷新することも視野に入れ、様々な製品を検討した。その結果、営業システムはGRANDITをバージョンアップして継続利用し、会計システムはGRANDITを新たに導入することを決定した。

「GRANDITの選定理由で最も大きかったのは、営業システムを継続利用しつつ、会計システムと統合できる点でした」と梅本氏は語る。統合することで、営業システムのデータを会計システムにリアルタイムに連携できる。既存の営業システムとして利用していたGRANDITはユーザーからも評価が高く、継続利用するメリットがあった。営業システムを別の製品に移行する場合と比べてリスクを抑えられることも、決断を後押しした。

導入パートナーとして選ばれたのは、双日テックイノベーションだ。従来のシステムの保守については営業・会計で別の企業が担当していたため、営業システムをバージョンアップする場合は、導入パートナーへ保守を移管し統一する事が三菱商事プラスチックの意向だった。既存の営業システムは商社機能を組み込んでおり、大幅にカスタマイズしている。保守を引き継ぐと、大きなトラブル発生も危惧される。梅本氏は「双日テックイノベーションは、商社業務に知見があり、他社からの保守移管について豊富な経験を持っています。安心してお任せできると考えました」と選定理由を語る。

三菱商事プラスチック株式会社 情報システム部 部長 萩原 達也 氏

大きな不具合や認識の齟齬を後工程に残さない「早期の実機検証」

こうして、2022年10月にGRANDIT導入プロジェクトが開始された。同グループ内の事業会社ではシステムを導入する際に苦労した経験がある。その教訓から、今回のプロジェクトを成功させるために、2つ新たな取り組みを取り入れた。

1つ目は、ユーザー部門がプロジェクトメンバーとして参画したことだ。その理由として「ユーザーが基幹システムの導入を情報システム部門に任せきりにするのではなく、自分ごと化してほしいという狙いがありました」と梅本氏は語る。

とはいえ、実務に追われるユーザーがシステム導入に関わるのは簡単ではない。そこでプロジェクト期間を2025年4月までの2年半と長めに設定した。双日テックイノベーション アプリケーション事業本部 副本部長 小北 洋史は「当社としてはもう少し短期間でできると考えていましたが、過去の事情も伺い、このスケジュールに落ち着きました。振り返ると、適切な期間設定だったと考えています」と語る。

2つ目が、プロジェクト計画の段階で、ユーザーによる実機検証をタスクとして組み込んだことだ。通常であれば受入テストで初めてユーザー側がテストを行うが、今回は営業システムのバージョンアップ終了後に1回、内部結合テスト終了後に1回と、受入テストよりも前の段階で計2回の実機検証を行った。「大きな不具合や認識の齟齬を早い段階で解消できたことが、成功の要因になりました」と梅本氏は語る。

実機検証を組み込んだことで、開発チームにも大きな影響を与えた。双日テックイノベーション側のプロジェクトマネージャーとして参画したアプリケーション事業本部 ERP事業部 技術二課 課長 尹 春香は「早い段階からマイルストーンを設けたことで、品質への意識が高まりました」と振り返る。

双日テックイノベーション株式会社 アプリケーション事業本部 ERP事業部 技術二課 課長 尹 春香

営業システムと会計システムを同時進行で刷新、難題を双日テックイノベーションと二人三脚で乗り越える

 今回の営業システムはバージョンアップ対応だったため、リスクは抑えられるように見えるが、実は難易度は非常に高かった。既存の営業システムで大規模なカスタマイズが行われており、新たに導入する会計システムとの整合性に大きなリスクを抱えていたのだ。「営業システムのバージョンアップと会計システムの新規導入を同時に行うのは、特殊なケースです。当社でも類似の事例は多くはありません」と小北は語る。

その対策として早期から調査を開始したが、調査においては三菱商事プラスチックの協力が大きかったと尹は語る。「当社でシステムの調査はできますが、業務運用は把握しきれない部分があります。その部分を詳しく教えてもらい、次期システムでどのように対応していくかを一緒に検討しながら進めていきました」。

三菱商事プラスチック 情報システム部 部長 萩原 達也 氏は、双日テックイノベーションが持つ商社業務の知見、GRANDIT導入のノウハウについて高く評価する。「今回、営業システムの見た目はそれほど変わっていないのですが、裏側では非常に難易度が高かったと思います。カスタマイズした部分を理解して運用保守まで担当できるのは、知識と経験があるからこそだと思います」。

双日テックイノベーション株式会社 アプリケーション事業本部 副本部長 小北 洋史

導入後の効果

営業システムと会計システムの統合がもたらす業務効率化

 プロジェクトは大幅なスケジュール遅延や予算超過が発生することなく、2025年4月に運用を開始した。「リリース直後はいくつかのトラブルが発生しましたが、双日テックイノベーションに迅速に対応いただきました。開始当初は問い合わせも多く、ユーザーには負担をかけてしまいましたが、徐々に落ち着きました」と梅本氏は語る。

業務上の効果としては、既存のシステムで抱えていた課題が解消されたことが大きい。

まず、営業システムと会計システムが統合され、リアルタイムにデータが連携されるようになった。また、会計のデータから連携元の営業システムのデータを追跡できるようになったことも、大きな効率化につながった。「以前は会計の伝票番号をもとに営業システムを検索する必要がありましたが、現在は会計の伝票から営業システムのデータをワンクリックで参照できるようになりました」と梅本氏は語る。

ペーパーレス化も実現した。システム移行前は紙で運用していたプロセスが137件あったが、現在は33件となっている。残りの33件もログ保管を目的としたものなど、軽微な業務のみだ。105件の紙の業務を削減したことで、少なくとも年間で23,000枚が電子化されると三菱商事プラスチックでは試算している。

ビジネスの根幹を支える基幹システムの導入について、経営層はどのように評価しているのだろうか。萩原氏は次のように語る。「プロジェクトでトラブルがなかったわけではありませんが、経営層にエスカレーションするような事態には至りませんでした。経営層も過去に多数のシステム導入を経験していますが、それらと比較しても非常にスムーズだったと評価しています」。

三菱商事プラスチック株式会社 情報システム部 部長 萩原 達也 氏(写真左)三菱商事プラスチック株式会社 情報システム部 課長 梅本 創 氏 (写真右)

海外シフトを見据え、より変化に強いシステムへ

 三菱商事プラスチックは、国内の取引から海外へと移行する過渡期にある。萩原氏は今後の展望についてこう語る。「もともと営業システムに海外取引の機能は持っていますが、国内・海外における取引の比重が変化するとともに、プロセスも変わっていっています。ビジネスの変化にシステムを対応させることを考えなければなりません」。中でも貿易業務の効率化は、今後解決しなければならない課題だ。「貿易業務は入力する項目が多く、利用者の負担になっています。AI活用も視野に入れて、こうした業務を効率化する仕組みを考えていく必要があります。」と梅本氏は語る。

プロジェクトは一区切りついたが、それがゴールではない。小北は「長く使えるシステムにしていくには、変化に柔軟に対応していくことが求められます。今後も二人三脚で取り組んでいきたいと考えています」と引き続き伴走支援していく思いを語った。

足元でもいくつかの課題がある。「運用保守まで一貫してサポートしてもらい、感謝しています。今後も課題解決に向けて、牽引してもらえると期待しています。」と萩原氏は締めくくった。

写真左より

双日テックイノベーション株式会社 アプリケーション事業本部 副本部長 小北 洋史

双日テックイノベーション株式会社 アプリケーション事業本部 ERP事業部 技術二課 課長 尹 春香

三菱商事プラスチック株式会社 情報システム部 課長 梅本 創 氏

三菱商事プラスチック株式会社 情報システム部 部長 萩原 達也 氏

※所属部署名、役職名は、取材当時のものです。

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