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ケーススタディ DX実践のきっかけ作りや意識改革を支援
(DX University導入事例)

株式会社山梨中央銀行

県内唯一の地方銀行として地域密着と健全経営に徹する株式会社山梨中央銀行(以下、山梨中央銀行)は、独自のDX推進人財育成制度を導入し、全役職員がDXを基礎的な素養として身につけて実践できるようにするため、DX人材育成プログラム「DX University」の「DX基礎eラーニング」を活用しました。その結果DXを全社的な共通言語とし、高度なDX専門人財の育成やそれを支える風土づくりを創出しています。

Before/After

課題/目的

・DX推進人財育成制度を導入し、本部と営業店が共通認識を持ちながらDXに取り組むことを目指した
・金融機関として地域の課題解決を進めるには、全役職員がDXを基礎的な素養として身につけて実践することが重要だった
・今後すべての役職員がDXを共通認識とするためには、知識を習得できるしくみや手段が必要だった

DX人材育成プログラム「DX University」を導入

効果

・研修の継続によりDXの必要性を理解して実践のきっかけ作りや意識改革を支援
・DXを全社的な共通言語と認識することで高度なDX専門人財の育成やそれを支える風土づくりを創出
・コンテンツを受講者のレベルや立場に合わせて柔軟に取捨選択し社内に展開することで効率性が向上
・他のストリーミング配信サービスに比べてトータルで大幅なコスト削減を実現

  • 経営企画部 DX・イノベーション推進室
    DX推進チーム 林 希 氏 (写真左)
  • 経営企画部 DX・イノベーション推進室
    室長 ITコーディネータ 窪沢 崇 氏 (写真右)
企業名:
株式会社山梨中央銀行
所在地:
甲府市丸の内一丁目20番8号
設立:
1941年12月1日
従業員数:
1,639人
URL:
https://www.yamanashibank.co.jp/ ターゲットブランクアイコン
事業内容:
当行及び連結子会社で、銀行業を主要業務に、リース業、クレジットカード業等の金融サービスに関わる事業を展開

一人ひとりがDXを基礎的な素養として身につけて地域の課題を解決

山梨中央銀行は1877年の創業以来、県内唯一の地方銀行として地域密着と健全経営に徹し、高水準の自己資本比率(国内基準)を維持しながら安定した財務基盤を確立してきた。現在は、連結子会社とともに主要の銀行業のほか、リース業やクレジットカード業などの金融サービス事業も展開する。また、2022年4月から2025年3月まで実施する中期経営計画では「AX(アライアンス トランスフォーメーション)」、「DX(デジタル トランスフォーメーション)」、「SX(サステナビリティ トランスフォーメーション)」の3つを変革ドライバーとして掲げ、持続可能なビジネスモデルの構築を目指している。

経営企画部 DX・イノベーション推進室
室長 ITコーディネータ 窪沢 崇 氏

特にDXは金融業界の中でも先駈けて取り組んでおり多くの注目を集めている。同行は2020年10月に頭取を委員長とする「DX推進委員会」を発足し、2022年6月には経営企画部内にDX化の専担組織「DX・イノベーション推進室」を設置してデジタルによる業務基盤やビジネス構造の改革を進めてきた。また、お客さまのデジタル化へのニーズに適切な解決策を提案できる人財を育成するため、DX推進人財の育成に向けた独自制度を導入。今後、DXの基礎的な知識を備え各種サービスなどを提案する「DXプランナー」を約500名、お客さまの課題解決につながる最適なソリューションを提案する「DXマネージャー」を約100名目標に認定していく計画だ。

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その実現には、同行の本部と営業店が共通認識を持ちながらDXに取り組む必要があったという。経営企画部 DX・イノベーション推進室 室長 窪沢 崇氏は、「弊行は金融機関として地域の課題解決をミッションにしています。それにはITが不可欠であり、全役職員がまずは基礎的な素養としてデジタルの知見を身につけなければお客さまの課題に気付くことはできませんし、解決に導くこともままなりません。一人ひとりがDXを自分ごとと捉えて実践することが重要と考えました」と語る。

また、経営企画部 DX・イノベーション推進室 DX推進チーム 林 希氏は、「今後すべての役職員がDXリテラシーを培い、共通認識とするためには、業務時間中に知識を習得できるしくみや手段が必要でした。そこで弊行のDX人財育成に最適な教育システムを検討することになったのです」と振り返る。

コンテンツがわかりやすく事例も豊富に紹介されているDX Universityを採用

同行が注目したのは、日商エレクトロニクス(現、双日テックイノベーション)が提供するDX Universityだった。中でも「DX基礎eラーニング」に有効性を感じたという。「DX Universityのeラーニングは導入前でも、お試し視聴や一部視聴ではなく、全コンテンツを終始視聴できたため、内容が弊行の目的に沿うものだと判断できました」と窪沢氏は話す。

特にメリットを感じたポイントは次の3点だという。第1に、コンテンツ(教材)の内容がわかりやすくまとまっていること。DX基礎eラーニングは全4象限(①情報セキュリティ、②ITリテラシー、③データサイエンス、④デジタルマーケティング)で構成。全23時間・200動画ファイルに、解説付きの演習問題も付属する内容だが、各動画の最後に「講習のまとめ」があるため理解を補いやすかったという。また、金融業界のみならず各種業界の事例を豊富に紹介している点も高く評価した。窪沢氏は「金融業界に特化していないコンテンツだからこそ、環境変化や他の業種の動向についても触れることができると感じました」と述べる。

第2に、コンテンツが買い取り制であること。林氏は「全役職員2,400名以上に受講してもらうため、ライセンス課金によるストリーミング配信の教材よりもトータルでのコストパフォーマンスは高いと判断しました。また買い取り制であってもコンテンツ内容は定期的にアップデートされるので、継続的に活用できると感じました」と振り返る。

第3に、各象限ごとに目的や難易度が異なり使い分けがしやすいこと。例えば「情報セキュリティ」と「ITリテラシー」は社会人が身に着けるべき基礎的素養として全役職員の受講を原則とするほか、「データサイエンス」はDXマネージャーの中でデータサイエンスを実践する担当者向けに継続学習として利用できると考えた。また「デジタルマーケティング」は今後様々なアプリケーションを駆使して業務を遂行したり新商品開発を企画したりする部門での利用を想定したという。

DXを全社的な共通言語として認識される基盤を整備し実践する機運を醸成

同行は、2023年3月にDX Universityのeラーニングの情報セキュリティのコンテンツを優先して導入し、4月からまずは全役職員が受講を開始した。「対象が全役職員のため、行内ポータルサイトを通じて受講の必要性や効果的な進め方などを丁寧に伝えました。また、既存のLMS(学習管理システム)を活用して視聴率を把握し、受講が遅延ぎみの人にはメールではなく電話や対面で奨励していきました。そうした草の根的な働きかけの結果、半年が経過した時点で全役職員の受講完了率は90%を超えました」と林氏は述べる。また、10月には他の3象限のコンテンツも導入し、視聴に向けた準備を行っているという。

経営企画部 DX・イノベーション推進室
DX推進チーム 林 希 氏

DX University導入による効果は期待も含めて次のものがあるという。1つ目は、DXを実践する機運の醸成。研修を継続することで、一人ひとりがDXを基礎的な素養としてとらえる必要性を理解し、実践していくきっかけ作りや意識改革への支援につながっているという。窪沢氏は「現在までにITパスポートを保有しているDXプランナーは250人を超えています。DXやデジタルに関する知識を身につけることで全社的に共通言語的な認識が広がり、その中から高度なDX専門人財の育成や、それを支える風土づくりにつながっていくことも期待しています」と話す。

2つ目は、コンテンツ受講の利便性向上。コンテンツは日商エレクトロニクスからフェーズごとにファイルで供給されるので、受講者のレベルや立場に合わせた取捨選択を自由に行って社内に展開できる。今後ITリテラシー、データサイエンス、デジタルマーケティングといった高度なコンテンツを効率的に受講してもらう上で、その柔軟性は非常に有効になるという。

3つ目は、高いコストパフォーマンス。DX Universityのコンテンツはすべて買い取り制のため、他のライセンス課金によるストリーミング配信サービスを利用する場合と比べると、同行の場合トータルでは大幅なコスト削減が可能になったという

社会がDXで劇的に変化していく中でDX Universityを活用する意義はさらに拡大

今後山梨中央銀行では、基礎eラーニングの残り3象限について、対象となる人材に適宜受講を促すとともに、その上位にある各種DX研修やDX人財育成コースの活用の可能性も探っていく考えだ。また、2022年11月に初めて行った全社でのITリテラシーレベルを探る「DXリテラシーアンケート」を2023年も実施するという。林氏は「新たに情報セキュリティに関する項目を設けるので、DX University導入の効果が表われるのを大いに期待しています」と話す。

そして窪沢氏は、「DX人財育成に向けた教育システムとしてDX Universityの選択は最適でした」と総括する。「今後社会はDXによって劇的に変化し、銀行も金融の知識だけでビジネスを進めるのが難しい時代になるでしょう。そのためにも行内外のさまざまなニーズを的確に捉え解決策を提案できるDX推進人財が必要とされています。DX推進人財の最上位にあたる高度専門人財育成についても2023年下半期から開始し、銀行としてのDX推進をより加速し、得られた知見やノウハウを地域のお客さまへ還元することを目指しています。そのような観点でも引き続きDX Universityを活用していく意義はさらに大きくなっていくと確信しています」(窪沢氏)

県内のDXコミュニティへの貢献や、県外の金融機関との業務提携などを進める山梨中央銀行は、DXの推進において益々その存在感を高めている。日商エレクトロニクスはDX UniversityをはじめとするDXソリューションの提案で同行をこれからも多面的に支援していく。

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写真左より
日商エレクトロニクス株式会社 アプリケーション事業本部 アプリケーション営業部 二課 シニアコンサルタント 木村 仁
株式会社山梨中央銀行 経営企画部 DX・イノベーション推進室 室長 窪沢 崇 様
株式会社山梨中央銀行 経営企画部 DX・イノベーション推進室 DX推進チーム 林 希 様
日商エレクトロニクス株式会社 アプリケーション事業本部 アプリケーション営業部 二課 課長 亀岡 雅弘
※所属部署名、役職名は、取材当時のものです。

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