エンジニアブログ コンテナ環境を使ったネットワーク検証のご紹介

皆様、ネットワーク検証はどのように実施しているでしょうか。
ネットワーク機器はハードウェア製品が多く、検証環境を作るためには、使用する機材や設置場所の確保など様々なハードルがあります。
また、構築にかかる時間も考慮しなければなりません。
本記事では、コンテナを利用した検証環境の迅速な構築方法をご紹介いたします。

松尾 優介

入社3年目のNWエンジニア
ARISTAのプリセールス/デリバリーを担当

1. コンテナとは

コンテナとは、アプリケーションの実行に必要な環境全体をパッケージとして取りまとめる技術です。ホストOSのカーネルまでを共有して動作するため、仮想マシンに比べてメモリ占有が少なく軽量動作となります。
そのため、スクラップ&ビルドが容易となり、ポータビリティにも優れております。

2. ネットワーク検証におけるメリット

コンテナ環境をネットワーク検証に取り入れる場合、どのようなメリットがあるでしょうか。
コンテナ環境は、実環境と比較して構築の時間/コスト/場所等の物理的制約が少なく、非常に容易に環境を構築できます。
また、少ないリソースで複数台規模のエミュレートが可能なため、しっかりとリソースを用意すれば大規模環境のエミュレートも可能となります。
ネットワーク検証に着目すると、コントロールプレーンは実環境と同様となります。そのため、プロトコルの動作確認や手順書の事前確認にも有用です。

3. Containerlabとは

本記事では、ネットワーク検証構築するコンテナツールとしてContainerlabを使用しています。
Containerlabは、主要なネットワークコンテナをサポートしたネットワークラボツールです。
※対応コンテナ:ARISTA cEOS, Juniper cRPD, Cisco XRd, Nokia SR Linux 他複数
Containerlabでは、yaml形式のトポロジーファイルをもとにコンテナをデプロイし、仮想配線も自動的に実施するため構築の手間を軽減してくれます。

Containerlab%E3%81%A8%E3%81%AF

Containerlabとは

4. コンテナ環境の作成/cEOSの展開と検証

さっそく、Containerlabを利用してネットワーク検証環境を作成していきます。
なお本記事では「Ubuntu 22.04.2 LTS」上に「ARISTA cEOS」の検証環境を作成していきます。

①イメージファイルをUbuntu上に保存

①.png

参考:Software Download - Arista

※別途ARISTA社へのアカウント登録が必要です。

 ゲストアカウントにおいてもcEOS、vEOSイメージがダウンロード可能です。

 

②Dockerのインストール、設定

%E2%91%A1

参考:Install Docker Engine on Ubuntu | Docker Docs

 

③Containerlabのインストール

%E2%91%A2

参考:Installation - containerlab

 

④yamlの作成

Containerlabではyamlファイルによって構成を作成します。
「Links:」記載の箇所にてインタフェースが設定され、非常に短い記載で仮想リンクを作成することができます。
今回は以下構成を作成し、「ARISTA-01」が持つstatic routeを、OSPFを利用して「ARISTA-04」に広報するところまで記載いたします。

%E2%91%A31

構成図

 

%E2%91%A32

yaml記載内容

 

⑤デプロイ

%E2%91%A4

デプロイ完了画面

 

⑥cEOS環境へのログイン

%E2%91%A5

ログイン確認

 

⑦インタフェース、OSPFの設定

ARISTA cEOSはコンテナ版の機器になりますが、インタフェース名は物理機器と同様の命名規則になります。
そのため、インタフェース名の書き換えなしで、物理環境のコンフィグを使用した検証が実施可能です。

%E2%91%A61

インタフェース設定

 

%E2%91%A62

OSPF設定

 

⑧OSPF Status/経路確認

%E2%91%A71

ARISTA-01 OSPF Neighbor確認

%E2%91%A72

ARISTA-04 OSPFで受け取った経路の確認

5. まとめ

今回はコンテナ環境を利用したネットワーク検証環境の構築方法、メリットをご紹介いたしました。
従来のネットワーク検証とは異なり、コンテナ環境を利用することで、非常に容易かつ低コスト、そしてスピーディーな環境構築が実現できます。
また、コンテナ環境ではベンダーに依存せず、様々なベンダー機器を織り交ぜた構成を作成することも可能です。
今回使用したContainerlabはOSSのため、気軽に検証を実施することができます。


ベンダーロックインされていない状態がネットワーク環境のあるべき姿であると考えます。
他ベンダーを検討する第一ステップとして、まずは気軽にコンテナ環境でのネットワーク検証を実施してみてはいかがでしょうか。
日商エレクトロニクスでは、コンテナ環境による検証はもちろん、マシンルームも完備しておりますので、検証のご相談等お気軽にご連絡ください。

  • #AristaNetworks
  • #アリスタネットワークス

エンジニアブログ

NELabに関するお問い合わせは、
こちらのフォームからご連絡ください。