エンジニアブログ 【ロードバランサ】待望の新製品 Citrix ADC MPX16000、SDX16000シリーズのご紹介

Citrix社のロードバランサ製品であるCitrix ADCにて、2022年第二弾の新製品が登場しました。
製品名はCitrix ADC MPX16000、SDX16000シリーズです。
本記事では、従来モデルであるCitrix ADC MPX15000、SDX15000シリーズと比較して特長をご紹介していきます。

加藤 和樹

大規模エンタープライズのお客様へSD-WANの提案や導入を担当後、
現在はデータセンターネットワーク製品のプリセールスに従事。

1. はじめに

2022年3月に10~30Gbpsのレンジに対応する新しいロードバランサ製品のCitrix ADC MPX9100、SDX9100シリーズがリリースされました。
MPX9100、SDX9100シリーズについては、以下の記事をご参照ください。
【ロードバランサ】Citrix ADC新製品のご紹介
本記事でご紹介するCitrix ADC MPX16000、SDX16000シリーズは、Citrix ADC MPX15000、SDX15000シリーズの後継機となります。
MPX9100、SDX9100シリーズでは対応できない30Gbps以上のパフォーマンスを発揮できるハイエンドな新製品となります。
ロードバランサで30Gbps以上のハイパフォーマンスを求めるお客様は是非最後までご覧ください。

2. Citrix ADC MPX16000、SDX16000シリーズとは

MPX16000、SDX16000シリーズは2Uのモデルとなり、イメージは以下のドキュメントから確認することができます。
Citrix ADC MPX 16000
従来のモデルはシルバーを基調としておりましたが、MPX9100、SDX9100シリーズと同様に黒基調のスタイリッシュな外観となりました。
では、早速ラインナップを見ていきましょう。

MPX16000、SDX16000シリーズは、MPX、SDXシリーズでそれぞれ8ラインナップずつと豊富なモデルを用意しております。

特筆すべき点としては、ライセンスの変更で最小30Gbpsから最大200Gbps(約7倍)まで拡張できる点です。
これにより、MPX16000、SDX16000シリーズではミッドレンジからハイエンドまでこれ1台で対応可能です。

3. Citrix ADC MPX16000、SDX16000シリーズ従来モデルとの比較

では、従来モデルとの比較を行ってみましょう。
以下の表は、従来モデルのMPX15000、SDX15000とMPX16000、SDX16000の比較となります。

赤文字をご覧の通り、従来モデルから大きくパフォーマンスが向上していることがわかります。
大きなアップデートは以下の3つとなります。

①100Gインターフェース対応

従来モデルでは25Gインターフェイスしかサポートしておりませんでしたが、
MPX16000、SDX16000シリーズでは最大100GのQSFP56をサポートするようになりました。
もちろんインターフェイスの速度向上だけではなくシステムスループットも最大200Gbpsとハイエンド製品にも並ぶパフォーマンスを備えております。

②SSLチップの強化によるパフォーマンスの大幅な向上

昨今のセキュリティ要件としてWebサイトのSSL化は必須となっており、常時SSL化のページも珍しくなくなってきております。
内閣サイバーセキュリティセンターが作成している「政府機関等の対策基準策定のためのガイドライン(令和3年度版) 」では、7.2.2ウェブ 基本対策事項に「TLS機能を適切に用いる」が明記されております。

<7.2.2(1)(a)(オ)関連>

7.2.2(1)-5 情報システムセキュリティ責任者は、通信時の盗聴による第三者への情報の

漏えい及び改ざんの防止並びに正当なウェブサーバであることを利用者が確認でき

るようにするための措置として、以下を含むウェブサーバの実装を行うこと。

 a) TLS 機能を適切に用いる。

 b) TLS 機能のために必要となるサーバ証明書には、利用者が事前のルート証明

  書のインストールを必要とすることなく、その正当性を検証できる認証局(証

  明書発行機関)により発行された電子証明書を用いる。

 c) 暗号技術検討会及び関連委員会(CRYPTREC)により作成された「TLS 暗号

  設定ガイドライン」に従って、TLS サーバを適切に設定する。

 

内閣サイバーセキュリティセンター. "政府機関等の対策基準策定のためのガイドライン(令和3年度版)". 内閣官房. 令和3年7月7日.

https://www.nisc.go.jp/pdf/policy/general/guider3.pdf

※本記事では、「TLS」を広く普及している名称の「SSL」で記載しております。

SSLは時代に必須の要件となりますが、強度の高い暗号化は機器のパフォーマンスが懸念となります。
そこで、MPX16000、SDX16000シリーズでは次世代のSSLチップであるIntel Lewisburgを採用しました。
これにより従来器よりSSLパフォーマンスが約2倍に向上し、この懸念を解消しました。

③メモリー容量の倍増(SDX)

SDXシリーズにてメモリー容量が従来の128GBから256GBへ倍増されました。
仮想インスタンスでマルチテナントを実現するSDXでは、インスタンスにメモリー割り当て行う必要があるため、メモリー量が多くなることにより各インスタンスでのパフォーマンスが向上しました。

4. 最後に

今回は、2022年10月にリリースのMPX16000、SDX16000シリーズをご紹介いたしました。
日商エレクトロニクスでは、今回ご紹介いたしましたMPX16000、SDX16000シリーズの提案から導入、サポートまでワンストップ体制でのご支援が可能です。
気になる点がございましたら、是非お気軽にお問い合わせください。

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