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MSA標準トランシーバーとベンダー互換トランシーバー
何が違うの?比較を解説!
これまでProLabsの光トランシーバー製品について、活用方法の紹介や検証結果をレポートしてきましたが、今回はMSA標準トランシーバーとベンダー互換トランシーバーの比較について、皆さまにお伝えしたいと思います。
黄 嘉琳
入社1年目のエンジニア
ネットワークと自動化開発の二刀流エンジニアを目指してます。
1. そもそもMSA標準製品とベンダー互換製品は何が違うの?
①MSA標準製品
MSA(=マルチソースアグリーメント)は、複数のメーカー間でSFPの仕様・特性を定義して相互運用と互換を可能とする協定で、事実上の業界標準として機能しています。ProLabsはもちろんMSAに準拠した光トランシーバー製品を提供して、どの装置でも汎用的に使用することができます。
②ベンダー互換製品
ProLabsではMSA標準の光トランシーバーだけではなく、装置ベンダーコードを実装した互換製品も提供しております。各装置ベンダー純正品と同じ規格に準拠して製造されており、ProLabsの自社ラボで互換テストを行っています。
2. 比較検証
今回はQSFP-DD-400G-DR4のモジュールを使って、MSA標準製品とJuniper互換製品で違いがあるのか、比較検証してみたいと思います。
■検証内容
今回はコマンド上で出力される結果の差異や、トラフィックが問題なく流れること等の比較をするため、上記の検証内容を行いました。
前回と同じく検証プラットフォームはJuniper NetworksのMX304です!
※前回ブログ記事はこちら → 世界最速!?ProLabsの光トランシーバーを Juniper MX304で検証してみた
■検証結果
Juniper互換トランシーバーは、純正品同様にパーツナンバーが表示されますが、MSAトランシーバーでは「NON-JNPR」と表示されました。
これは、互換トランシーバーではEEPROMに書き込まれた互換ベンダーコードを装置が読み取ってモジュールを認識するため、純正品同様にパーツナンバーを表示することができるためです。
リンクアップの速度や疎通など、動作に関しては両者とも問題がなく、差分も見当たりませんでした。
また、トラフィック試験では1時間ほどテストパケットを流し続けましたがロスは発生しませんでした。
結論として、表示上の違いはあるものの、動作やスペックに関しての差異は無いことを確認できました!
3. 検討する際のポイント
次に、MSA標準製品とベンダー互換製品の選択について、ご検討のポイントを解説します!
- 機器スペック
両者ともハードウェアの仕様や動作スペックに違いはありません。
ただし、表示形態に違いが出る場合がありますので、監視・運用の観点でどちらを選択するかご検討ください。
- 汎用性
MSA標準製品は特定のプラットフォームに縛られず汎用的に使用することが可能です。一方、ベンダー互換製品は使用するプラットフォームごとに選択する必要が出てきます。汎用的に使いたい場合は、MSA標準製品を選択しましょう。
- 互換性
MSA標準製品は機器によってはうまく動作しないケースがあり、ベンダー互換製品の方が装置との相性が良いと言えるでしょう。
また、装置ベンダーによってはサードパーティ光トランシーバーの使用に制限をかけている場合もあるため、事前の動作検証は必須です。
- モジュールコスト
ProLabsは、同一規格であればMSA標準製品でもベンダー互換製品でも価格は変わりません。
皆さまの利用するプラットフォームや運用形態に合わせて、公平な選択の機会をご提供できます!
4. まとめ
今回はMSA標準製品とベンダー互換製品の比較をして、その違いと選択方法について考察してみましたが如何でしたか?
純正品かサードパーティ製品か、だけではなく、サードパーティ製品を選ぶ中でも異なる選択肢と観点があることにお気付き頂けたのではないでしょうか。
どの製品を選んだら良いか分からない、という方は是非一度、日商エレクトロニクスまでご相談ください。
これまで3回にわたり記事をご愛読いただき、ありがとうございました!
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