拠点もデバイスもクラウドも増え続ける今、セキュリティの現場からはこんな声が聞こえてきます。
- ゼロトラストが必要なのは分かっているが、どこから手をつければいいかわからない
- ツールを入れるほど管理画面が増え、ポリシーが統一できない
- セキュリティを強化したら、現場から「アクセスが遅い」「認証が面倒」と不満が出た
- 結局、導入したものの"複雑になっただけ"の状態になっている。
投資は進んでいるのに、なぜセキュリティと利便性は両立しないのでしょうか。
従来のセキュリティは「城」に例えられてきました。堀と城壁で内部を守るモデルです。しかし今、守るべきデータもユーザーも城の外にあります。
- クラウドサービスの普及
- モバイルワーカーの増加
- 外部サービスとのAPI連携(DX推進に伴う接続拡大)
- サイバー攻撃の高度化と、インシデント発生時の説明責任の厳格化
内部と外部の境界線そのものが焼失した今、「決して信頼せず、常に検証する」ゼロトラストの考え方が求められています。
ゼロトラストの構成要素は、ID・認証、デバイス管理、ネットワーク分離、アプリ保護、ポリシー制御、可視化、自動化-と多岐にわたります。
ある調査では、ゼロトラストを一部でも実装している企業は全体の約21%。3年前から8%の増加にとどまっています。
導入が進まない背景には、現場で繰り返される課題があります。
- 設計/運用が複雑化し、認証/端末管理/ネットワーク分離/アクセス制御/監査が密接に絡み合い、運用者の負荷が増大する
- ツールごとに管理画面がバラバラで、ポリシーが統一できない
- 多要素認証やアクセス制御により、ユーザー体験が悪化する
- レガシーアプリやOT環境がSSO非対応で、全面適用が難しい
- ログ量が膨大になり、アラート疲れ/インシデント対応の遅延を招く
導入が目的化し、本来のゴール -リスク低減・インシデント対応の迅速化・可視化強化-が置き去りになるケースも少なくありません。
すべてのソリューションを一度に導入するのは現実的ではありません。NISTもゼロトラストアーキテクチャを踏まえた将来的なネットワーク設計を行いながら、段階的に導入していくことを推奨しています。
では、どこから着手するのか。一つの考え方として提示されているのが、「まず認証基盤を固め、その上にZTNAを適用していく」という順序です。これは絶対解ではありませんが、接続の入口を制御するという意味で、再設計の起点として有効なアプローチです。
「誰が、どの端末で、どこから、いつ、どうやってネットワークに入ってきたのか」-この問いに一元的に答えられる統合認証基盤があれば、ポリシー制御の起点が生まれます。
有線・無線・VPNを横断し、802.1X認証、MAC認証、Web認証をまとめて管理する。端末の種類やOS、接続方法といったコンテキストに応じて制御を変える。こうした仕組みが、複雑化を防ぐ土台になります。
ゼロトラスト設計の具体例はウェビナーで解説
認証基盤を起点にしたネットワーク設計の具体例をウェビナー動画で解説しています。
従来のVLAN・ACL中心の設計は、拠点やポートごとに作りこみが必要でした。
HP Arubaが提唱するのが、これをIDベースの設計に置き換える「ダイナミックセグメンテーション」というアプローチです。
ユーザー/端末の属性に基づき、接続した瞬間にロールとポリシーを自動割当
有線/無線/VPNを問わず、同じロールで同じポリシーを一貫適用
物理配線に依存しない、論理的なネットワーク分離を実現
ポートを"ただの接続口"と見なし、「誰がぶら下がったか」で制御する。この発想の転換が、VLAN設計・管理の負荷を大幅に軽減し、ハイブリッドワークやIoT端末の増加にも柔軟に対応できる基盤をつくります。
ある製造業のIT子会社では、Microsoft Azure上にClearPassを用いた認証基盤を構築し、Aruba Centralによる有線・無線の一元管理体制を整備。場所や時間を問わないセキュアなアクセス環境を実現しました。さらに、AI機能を活用した運用管理により、トラブル対応・設定変更の運用負荷も大幅に軽減。この成功モデルを、今後グループ全体に展開していく計画です。
この記事では考え方を整理しましたが、ウェビナーでは次のポイントをより具体的に解説しています。
- 認証基盤を起点にしたゼロトラスト設計の進め方
- IDベースのアクセス制御を既存ネットワークに適用する方法
- ClearPass/ダイナミックセグメンテーションの具体構成
- ZTNA/SSEとの役割分担
ゼロトラストは「すべてを一度に導入する」必要がありません。
認証基盤を起点に、段階的に設計するアプローチを動画でご紹介しています。
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