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IT業界における女性エンジニアの比率は増加傾向にあり、当社も例外ではありません。ERP事業部所属の3名の女性エンジニアにインタビューし、キャリアやライフスタイルに対する率直な思いを聞いてみました。
ERP事業部 技術二課 北風 千絵子
ERP事業部 技術一課 知花 みほ
ERP事業部 技術二課 石田 恵美 (写真左から)
これまでのキャリアについて
まずはお一人ずつ、これまでのキャリアについてお聞かせください。
北風さん:
当社合併前の双日システムズ前身企業(ニチメンコンピュータシステムズ株式会社)に新卒で2001年に入社し、現在までシステム開発のSEとして働いています。
入社後3、4年間は、社内の開発チームの一員として、プログラム作成や設計書の書き方などを学びつつ、仕事をしていました。5年目頃には初めて社外プロジェクトのメンバーとなり、そこから6年間ほど、大手SIerの社内基幹システム入れ替え作業に携わりました。35歳の一歩手前で出産。その後、産休を経て数年間働いた後、2人目の子供を授かりました。復職後、現在まではERPチームにて、GRANDIT関連業務を続けています。
知花さん:
私は2008年に双日システムズに入社し、継続してGRANDITを取り扱っています。入社後5年間はシステムの保守を担当していましたが、その間、自部署に新たに入社した社員が、ことごとく導入チームの配属となり、自分も希望を出して、導入チームに異動させてもらいました。知識や経験において、自分1人だけ取り残されてしまうのでは、という焦りや不安を覚えたからです。
異動後、早くも10年程が経ち、現在に至っています。
石田さん:
当社ではなく、証券系のシステムを扱う会社に2013年に新卒入社しました。入社後4年間は導入案件などを担当し、その後保守チームに移り、2年間、日々の保守や案件対応などを経験しました。
当社に入社したのは、2019年です。1年間、アプリケーション開発部に所属していました。しかし、配属先の業務が自分の求めていたものではないとの思いが次第に強くなり、現ERPの保守部隊に異動させてもらったのです。異動から1年後に出産、産休を経て、昨年5月に復職しました。
家庭との両立・ライフスタイルの維持について
北風さんと石田さんは、出産と産休取得という大きなライフステージの変化を経験されていますが、それに伴い、自身のキャリアに対する考えも変化したりしましたか?
北風さん:
設計・構築を経てリリースし、その後、保守までという一連の業務はやりがいがありましたが、当時は残業時間が増えてしまう月もあり、心身共に疲れ果ててしまったんです。33、4歳の頃には、毎晩遅くまで働く自分のライフスタイルを何とかして変えたいと願い、出産を決意しました。
もともと昇進願望が薄いこともあり、出産後は更に家庭を大切にしたいという想いが強くなった気がします。家庭を犠牲にしてまで仕事を優先するというのは自分のスタイルではなく、平日の帰宅後であっても子供に温かいご飯を作ってあげられる生活が、自分にとってはかけがえがないものとなっています。
石田さん:
北風さんのお話を聞いて、すごく安心しました。私は結婚や出産という人生の転機において、この先も正社員として働き続けるのか、自分のキャリアを見つめ直してみました。その結果、せっかく築き上げたキャリアをリセットするのはどうしても気が進まず、それまでに培った知識や経験を土台に据えながら仕事を継続する道を選択したのです。
ただし、今は仕事でのステップアップよりも、家庭と仕事のバランスをとりながら、担当業務を誠実にこなすことを心掛け、どちらかというと家庭のほうに比重がかかっている状態です。子供が成長し、手がかからなくなるにつれ、家庭と仕事の比重の置き方は変化していくかもしれませんね。
仕事を続ける中で、家庭に比重を置くことに対する罪悪感のようなものを感じたりするのでしょうか。
石田さん:
いえ、罪悪感というよりも、ステップアップを目指してバリバリ働くわけにいかない今の状況を不安に思うことがあります。会社から求められているのは、志が高く、将来の目標を明確に定めている社員だとすると、今の自分は停滞と捉えられる不安感ですね。人として成長したいという想いはあるのですが、会社組織における上昇志向や昇進願望は、それほど大きくありません。
知花さんは石田さんとは別の観点で自身の業務に不安を感じ、導入業務への転向を希望されたかと思います。仕事における上昇志向から、他の人と比較し、焦りを感じたのでしょうか。
知花さん:
20代の頃は、とにかく後輩に追い抜かれることを恐れていて、自分にない知識や経験を後輩が着実に積んでいく様子を目の当たりにし、不安や焦りを感じていました。色々とトライしてみたい気持ちはありましたが、特に上昇志向が強かったわけではありません。
30代になった現在、決してやる気がないわけではないのですが、早く昇進したいという気持ちは全くなくなりました。今は、与えられた業務をこなすだけで精一杯ですね。人と自分を比較して、あれこれ思い悩むこともなくなりました。今では、みんな頼りになるなぁと思っています(笑)。
家庭やライフスタイルを維持するために、日頃工夫されていることなどはありますか? お子さんの体調不良など、突発事項が発生した場合は、どのように対処されているのでしょうか。
北風さん:
うちはお父さん(北風)も同じ本部におりまして、子供が熱を出した時には、スケジュール的に休めるほうが休暇を取得する、もしくはどちらかが在宅勤務をすることにより、乗り切っています。当社はフレックス制で、週2日の在宅勤務が認められているので、割と融通が利きますね。
石田さん:
自分も子供の体調不良により、突発的に休暇をとるケースが多いです。可能な時は夫に協力してもらうこともあります。
現在、保守のチームでバージョンアップの案件を担当しているのですが、パートナーのPMが私の突発休を見越した上で、ゆとりのあるスケジュールを組んでくれているため、非常に助かっています。
今後のキャリアについて
最後に、今後のキャリアについて考えられていることやビジョンがあれば、教えてください。
北風さん:
先のことは、あまり考えていません。不確実な要素の多い現代において、詳細に未来を思い描いたところで、そのとおりに実現する可能性は低いと思います。今、目の前にある課題に自分なりに精一杯取り組んでいけば、未来は自然に拓けると思うのです。
下の子供が今、小学3年生で、6年生になるまでは時短勤務が可能です。今後3年間は今の状態を維持し、子供が大きくなった時に新たなライフスタイルを見つけていくことになるのではないでしょうか。
知花さん:
明確にこうしたい、ああしたいというキャリアビジョンがあるわけではありません。あまり自分を追い込まず、無理のない普通の生活を送りたいです。使ってもらえるうちは当社で働き、部署の仲間が快適に過ごせるよう、自分の知識を活かしていけると嬉しいです。
北風さん:
知花さん、いつもありがとう! 知花さんは、ものすご~くGRANDITのシステムに詳しいんですよ。導入チームでの10年以上の実績に加え、保守の経験もあるので、当部になくてはならない存在です。毎日、私の勤務時間の1.5倍は働き、皆を助けてくれています。本来、時間をとって調べないとわからないような事でも、知花さんに聞いたら、一瞬で解決するんです。
知花さん:
ありがとうございます。北風さん、やさしい・・・
素敵な関係性ですね。石田さんにも聞いてみましょう。
石田さん:
産休前からERP事業部にジョインし、かれこれ2年ほど経ちますが、まだまだ知識が足りず、いまだに戦力になりきっていないと感じています。アクセルを踏んで加速できるといいのですが、家庭をかかえている身としては、躊躇してしまいます。
会社で色々なことを吸収しながら戦力となれるような実力を身に着けていくことが理想ですが、その一方、私生活ではもう一人子供が欲しいという願いもあります。再度休職し、今のポジションから外れることに対する不安があり、悩んでいます。
北風さん:
石田さんがそのような悩みを抱えていることを、今、初めて知りました。自分の人生なので、遠慮しないほうがいいのではないかしら。一緒に働いているメンバーには迷惑をかけてしまうかもしれないけれど、遠慮していたら、ドンドン歳をとってしまいます。時には自分本位になることも必要かな、と思います。
先輩からの心強いアドバイスですね。私達社員一人ひとりに人生があり、互いにそれを認め、尊重しあえる環境を築いていきたいですね。
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