ケーススタディ 国内最大規模のバンキングシステムで先進的なNutanixを採用
株式会社NTTデータ様
地銀50行が使う金融IT基盤でNutanixを採用。短期間でスピード導入を実現。
専任担当による運用支援が決め手。
導入により、新たな金融サービスの提供など、お客様ニーズに即応できる金融IT基盤が完成した。
地方銀行・第二地方銀行向け共同利用型基幹系センターで日商エレから導入したNutanixが活躍している。
Before/After
課題/目的
- 共同利用型センターのサーバー更改にて、対応リソースが多大に
- 金融機関導入が多いことから、新たなFintechサービス導入コストの低い基盤を構築したい
- 対金融機関からの信頼性からも、専任のサポート体制を希望
日商エレクトロニクスの支援により、Nutanix導入
効果
- 日商エレのNutanix専属SEによる徹底的なサポート
- 構築期間を50%削減し、複数のハードベンダーが選択可能に
- 変化の著しいFintech基盤にも対応可能な柔軟さを実現
-
第二金融事業本部 第二バンキング事業部 第一バンキング統括部
開発担当 課長 増本 新一 氏 -
第二金融事業本部 第二バンキング事業部 システム統括担当
課長代理 寺崎 大介 氏
- 企業名:
- 株式会社NTTデータ様
- 所在地:
- 東京都江東区豊洲3-3-3 豊洲センタービル
- 設立:
- 1988年(昭和63年)5月23日
- 従業員数:
- 151,600(グループ全体/2022年3月31日現在)
課題
高速化するFinTechニーズにも安心して対応できる
日本の金融機関は厳しい経営環境の中にあり、その逆風はますます激しさを増している
1990年代後半の金融ビッグバンにより競争が激化し、金融機関の提携、統合、合併など、大規模な金融再編が活発化した。2000年代になってからはリーマンショックにより景気がスローダウンし、企業・家計の資金需要が伸び悩んだ。2010年代には大規模な金融緩和政策が導入され、金利低下が進み、マイナス金利となった。
常態化した超低金利の中、地方銀行は生き残り策を模索し、その有力な手段の1つとして採用されているのが共同利用型センターである。従来、銀行の勘定系システムは独自システムの構築が中心であった。しかし、システムの新規構築や運用コストの負担が大きな経営課題となり、ITベンダーと共同開発したパッケージ(バンキングシステム)を利用する動きが活発化している。
共同利用型センターにおいて、国内で圧倒的なシェアを持つのがNTTデータの提供する地方銀行・第二地方銀行向け共同利用型基幹系センターだ。このセンターを提供しているのが同社 第二金融事業本部である。
「確かに地方銀行は多くの経営課題の解決を迫られていますが、一方でFinTechなど新技術を利用した新たなサービスも考えられます。そこで私たちが協力し、ITコストを削減するとともに、新商品開発やサービスのシステム基盤を提供しています。それが共同利用型基幹系センターです」と、株式会社NTTデータ第二金融事業本部 第二バンキング事業部 第一バンキング統括部 開発担当 課長 増本新一氏は説明する。最新鋭の機能を備えたバンキングアプリケーションを、50以上の金融機関のお客様に利用いただいている。
同センターでは、サーバーの更改に当たって、情報系・支援系システムにNutanixを採用。10Node のNutanixに110台のWindowsサーバーを集約した。「情報系は勘定系とは異なり、大量のWindowsサーバーを利用して運用してきました。仮想化を検討しており、このタイミングでHCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャ)を紹介され、検討することにしました」と、導入の経緯を第二金融事業本部 第二バンキング事業部 システム統括担当 課長代理 寺崎大介氏は語る。
結論は早かった。早期構築を迫られていたこともあり、2週間ほどの検討でNutanixを購入することになった。「日商エレクトロニクスとは早くから付き合いがあり、特にNutanixは国内導入数No.1と実績も申し分ない。同社の他部署でも日商エレクトロニクスからNutanixを採用しているので、安心してチャレンジすることができました」(寺崎氏)。
日商エレ×Nutanixを選定した理由とは?
Nutanix導入後も、運用を支援
Windowsサーバーから日商エレが提案するNutanixへ刷新した5つの理由
まるで積み木のように拡張
これも運用負荷の1つであるが、サーバー拡張時はとりわけ作業量が増加していた。同センターに参加する銀行が増える度に、サーバーとストレージが増え、ネットワークの設定変更も求められる。従来、スケールアウトには大変な手間と時間がかかっていた。Nutanixは、新しいnodeを稼働中のNutanixに追加し、IPアドレスを設定するだけで簡単に拡張できる。仮に作業の際にトラブルが起きても、日商エレのNutanix専属SEが作業を担当するので、知見を活かした迅速な対応が可能である。
構築期間を50%短縮
サーバーの更改は構築期間の短縮が求められていた。限られた期間で十分な品質とパフォーマンスを満足させなければならない。各コンポーネントのセットアップが不要で、日商エレにて検証・設定済みで納品されるNutanixは、この課題を解消できる。
「極端な話、日商エレからの納品後、通電すればすぐに使うことができます。設計期間がほとんど必要ありません。これは大変魅力的でした」(寺崎氏)。
実際に、既存の3層型の仮想化基盤では6カ月~9カ月かかると見積もっていた工期を、Nutanixは3カ月で終了させることができた。
複数のハードベンダーから選択可
他のハイパーコンバージドインフラ製品に比べて、Nutanixは圧倒的に市場を占めている。さらに、Nutanixはソフトウェアベンダーであり、ハードベンダーを特定していない。日商エレでは、DellやLenovoなど複数のハードベンダーの導入実績も豊富にあり、システムや、運用体制にあった最適なハードベンダーを選択ができる点も評価した。
専任担当を配置
同センターでは、おびただしい数の物理Windowsサーバーを導入しており、その運用に職員が追われていた。「すでに限界に近くなっており、解決策を探していました」(寺崎氏)。
Nutanixであればシンプルな運用管理で工数を減らせるが、同部署にとっては初めてのアーキテクチャだ。日商エレは、Nutanix導入実績の多い専任SEを配置し、運用フェーズもしっかりサポートするので安心して導入に踏みきれた。
ラボで事前検証、高信頼性を確信
同センターは金融機関のインフラであり、ミッションクリティカルな運用を義務づけられている。どんなにコストや工期短縮にメリットがあろうとも、信頼性をおろそかにすることができない。ここにおいては、Nutanixの高い耐障害性能が評価された。独自の分散ファイルシステムで構成され、常に最高のパフォーマンスを維持しながらデータを保護できる。
検討決定に至るまでには、日商エレのラボにて検証も実施した。実際に使用する銀行のバッチもNutanix上で動かし、高信頼性を確信することができた。
Nutanix導入後も、運用を支援
Nutanix導入後も継続して金融IT基盤をNTTデータと共に支える日商エレ
確実な運用ノウハウ習得をサポート
Nutanixは同部署にとって、初めて採用するアーキテクチャであったため、運用フェーズにおける技術やノウハウを複数人に定着させる必要があった。Nutanixはシンプルな構成で、管理ツールPrismはユーザーインターフェースにも優れているため短期間での習熟が可能だ。導入後には、日商エレが技術勉強会を2回実施し、ノウハウ習得を支援。現在では、問題なく運用ができている。
技術課題の発見、改善点を提案
システムは導入して終わりではない。特に、バンキングシステムという社会的に重要なインフラを今後どのように維持・保持していくのかが重要になる。日商エレは、障害時における修復(交換など)などに対応するだけではない。製品のアップデート情報の提供や、技術的な質問にも回答するなど実施。また、定期的に利用状況をチェックし、技術課題の発見、改善点の提案を行うことでシステムの安定運用を支援する。
「FinTechのニーズに迅速に対応できる基盤を、運用体制も含めて日商エレと共に作っていきたい」(増本氏)
競争力強化を担うFinTech基盤にNutanix
「今回Nutanixに移行したのは8割程度で、まだ物理サーバーで稼働している情報系・支援系システムもあります。残っているサーバーも順次Nutanixに統合し、拡大していきます。Nutanix導入の効果について評価をした上で、サービス拡大に向け、他バンキングシステムにも展開する予定です」と、今後の計画を寺崎氏は語る。
お客様となる金融機関の市場は目まぐるしい勢いで変化している。FinTechが注目され、金融サービスを変革するITが期待されている。そこで求められるのは可用性に加え、スピード力だ。
「お客様のITに対する要求はさらに高まり幅広くなると予想されます。その要求に即応できる基盤ができあがりました。地方銀行などお客様の競争力強化をお手伝いできる基盤をNutanixで拡大していきます」と、増本氏は今後の基盤拡充に向けて期待を寄せている。
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