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ケーススタディ 脅威の成長を支えるIT基盤。ハイパーコンバージドでサイロ型システムから脱却せよ。
全社基幹業務をNutanixで全面仮想化。

オリックス生命保険株式会社様

「ベンダー主導のインフラ構築から脱却し、運用コストの大幅削減も実現。」
10期連続で保有契約件数が2桁成長しているオリックス生命保険株式会社様(以下、「オリックス生命」)では、同社のビジネスの成長を支えるITインフラにNutanixを全面採用。従来の3階層システムの課題を解決し、ベンダー主導のインフラ構築から脱却して運用コストを大幅に削減した。Nutanix約50ノードの導入を決めた同社CIOに、採用の経緯、Nutanixのメリットを伺った。

Before/After

課題/目的

  • 終身保険用に基軸開発されたシステムに継ぎ足している非効率的なシステム
  • 都度ベンダーに個別発注することで割高コストかつ余分なスペックが納品される
  • 個別のライセンス契約もバラバラで管理コストもままならない

日商エレクトロニクスの支援により、Nutanix導入

効果

  • 専用ストレージを経由せずに、一元的に管理できるPrismの使い勝手
  • 異なるハイパーバイザー間で統合管理することによって期待できるライセンス料の削減
  • 小さく始める導入の社内戦略を理解し、全面サポートする日商エレクトロニクス
  • 常務執行役員 菅沼 重幸 氏
企業名:
オリックス生命保険株式会社様
所在地:
オリックス生命保険株式会社 東京都千代田区大手町2-3-2 大手町プレイス イーストタワー
設立:
1991年4月12日
従業員数:
2,201名
URL:
https://www.orixlife.co.jp/ ターゲットブランクアイコン
事業内容:
「医療保険新CURE[キュア]」、「終身保険RISE[ライズ]」などシンプルでお手頃な保険商品によって消費者ニーズを着実に捉え、保有契約件数を急速に増やしている。保有契約高(個人保険)は9兆4409億円※、保険会社の健全性の指標であるソルベンシー・マージン比率は1,777.9%※、募集代理店数7,504店※。
※2016年9月末現在

課題/目的

求められたのは急伸するビジネスを支えるIT基盤

法人向けの保険を扱っていたオリックス生命は、2006年の「医療保険CURE」発売を皮切りにリテール分野に進出したことで、ビジネスは一気に拡大した。その後も「シンプルで分かりやすい保険をお手頃な価格で提供する」ことをコンセプトに、お客様のニーズを取り込んだ商品開発に取り組み、多くのお客様から支持されている。保有契約件数は10期連続で2桁成長し、2016年5月末には300万件を突破している。

現在、オリックス生命は医療保険から終身保険まで充実した商品ラインナップと、代理店販売、通信販売、銀行窓販、直接販売を結ぶオムニチャネル戦略を展開し、さらなる成長に向けてまい進している。

この成長を支えるIT戦略を推進するのが、2012年に常務執行役員に就任した菅沼重幸氏である。ITベンダーの開発部門や外資系生保の基盤運用部門などITと金融の最前線を歩んできた菅沼氏にとって、最大のテーマは生命保険会社のシステムが抱える構造的な問題を解消し、加速する成長を支えるIT基盤を創造することだった。

「生命保険会社の多くは、終身保険を数十年にわたって管理するためにメインフレームを使い続けています。その周囲に乱立する個別最適化された業務システムがさまざまな弊害を生み、ビジネス戦略へのスピーディーな対応を妨げているのです」
業務システムをベンダーに発注することで常にオーバースペック気味のシステムができあがる。システムごとにベンダーが指定したハードウエアやOS、データベースが導入されることでシステム環境は複雑化し、運用負荷が高まる。ライセンス契約もバラバラでコスト削減もままならない。この流れをどう変えるか。

「テクノロジーの進化を考えれば取るべき手段は明らかでした。インテルアーキテクチャーをベースにした仮想化プラットフォームへの移行です。20以上に及ぶサイロ化した業務システムを仮想化プラットフォームに移行することで、運用の最適化とビジネスニーズの変化に柔軟かつ迅速に対応できるスケーラビリティを実現しようと考えました」
ビジョンは明確だった。後はそれを実現するソリューションを探すだけだった。

選定理由

欲しかったソリューションが、まさに形に

菅沼氏が最初に注目したのはサーバー、ストレージを垂直統合するコンバージドインフラだったが、アーキテクチャーは従来の3階層(3Tier)を垂直統合しただけなので、スモールスタートが困難であり導入には至らなかった。その直後に出会ったのが、専用ストレージを利用せずにIAサーバーだけで構成するアーキテクチャーであり、すべての機能をソフトウエアで実装するハイパーコンバージドインフラNutanixである。

「欲しかったソリューションが、まさに形になっている。それが第一印象でした」
菅沼氏が特に評価したのは次の3点だった。

管理ツールPrismの使い勝手

Nutanixの管理ツールPrismならハードウエアから仮想マシン、さらにはネットワーク層まで一つのGUI画面で一元的に管理できる。今までのように複数の管理ツールを使い分ける必要がなく、管理業務を劇的に効率化することができる。

対応ハイパーバイザーの多さ

VMware ESX、Microsoft Hyper-Vも利用でき、KVMベースのNutanix独自のAcropolis Hypervisor(AHV)を使ってライセンス費用を削減することもできる。異なるハイパーバイザー間での仮想マシンの移動もPrismを使えば簡単だ。単一ベンダーのハイパーバイザーにロックインされることのないNutanixは、多彩な仮想化環境を統合管理する上でまさに理想的なプラットフォームだった。

スケーラビリティ

Nutanixはサーバーとストレージが統合されたコンパクトな筐体を追加していくだけでスケールアウトできる。まさにハイパーコンバージドのメリットを体現したシステムだった。
保険業界での導入事例はまだなかったが、菅沼氏はNutanixをオリックス生命のIT基盤として全面採用する決断をした。
「金融機関のシステム担当者の中には導入実績のないシステムに不安を覚える方が少なくありません。しかし、実際は、アーキテクチャーや技術の優位性が明らかであれば、どこよりも早く導入した方が、競争力が得られるのです」

小さく始めて社内にアピール。システム導入の戦略的アプローチ

Nutanixの全面採用を決断した菅沼氏だったがそれを一気に実行したわけではなかった。最初はあくまで特定のアプリケーションのプラットフォームとしてNutanixを導入したという。
「IT基盤の刷新をテーマにうたっても、経営陣を含め社内の理解はなかなか得られません。まずは、限定した新規案件のシステムに使用しその後段階的に既存システム更改などで適応していくことにしました。導入コストそのものは今までの導入方法と同じかやや高価なのですが、システムの安定性はもとより運用費用については適用が広くなればなるほど激減します。結果として効果をアピールすることができ、その後現場の運用スタッフには、Prismで仮想マシンのインスタンスを切り出して、その使いやすさを体感してもらいました」
これ以後、新規システム展開は、開発環境や検証環境についてはAmazon Web Services(以下AWS)やMicrosoft Azure(以下Azure)を併用、本番環境はすべてNutanix上で行われることになった。

Nutanixの導入については日商エレクトロニクスが全面的に支援。事前の技術検証や操作トレーニングを実施し、導入後もエンジニア派遣による運用支援を提供している。お客様の立場に立ち、新しいOSがリリースされる前であっても、自社ラボでシステム検証を行うなど、きめ細かな技術支援でスムーズなシステム運用をサポートしている。
課題となっていたサイロ型の業務システムも、システム更改のタイミングでNutanixへの移行が進められている。

次のステージに向けた新たな挑戦

将来的な導入効果として菅沼氏が期待するのがハードウエア投資の最適化だ。
「今まではEOSでバタバタしながらハードウエアを買い換えてきましたが、ハイパーコンバージドインフラに移行したことでよりきめ細かなリソース増強が可能になりました。これによりハードウエアのライフサイクルにかかるコストを大幅に抑制できるでしょう」
パブリッククラウドとの連携も重要なテーマだ。
「AWSやAzureなどクラウド上の仮想マシンとオンプレミスのデータがよりシームレスにつながり、Prismで一元的に管理できる環境が理想的です」
これを実現するため、菅沼氏はPrismのクラウド対応の強化を米国Nutanix社に要請している。
さらに菅沼氏は生命保険会社のシステムの中核であるメインフレームに対しても見直しを図っている。

「ハイパーコンバージドインフラによるリホスティングを検討中です」
サイロ型システムから脱却し、新たな成長を支えるIT基盤を構築したオリックス生命。その挑戦をNutanixと日商エレクトロニクスが支えていく。

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