ケーススタディ
「攻めのIT」で事業拡大への迅速な対応
(Nutanix導入事例)
SBSホールディングス株式会社様
SBSホールディングス株式会社は、グループ会社のシステム統合のために提供するプライベートクラウド基盤にNutanix Enterprise Cloud Platform「NXシリーズ」と組み込み型ハイパーバイザー「AHV(Acropolis Hypervisor)」を導入、ITシステムの全体最適化の課題を解決した。
Before/After
課題/目的
SBSグループ各社で、個別最適で自社のITを使い続け運用していたため、システム毎にセキュリティ、サービスレベルに格差があった
日商エレクトロニクスの支援により、Nutanix + AHVを導入
効果
- Nutanix + AHVの利用で50%のコスト削減
- スナップショットベースの時間短縮で運用負荷を軽減
- AHV、Hyper-Vの2つのハイパーバイザーを用いることでセキュリティリスクを軽減
-
情報システム
部長 中川 大成 氏 -
情報システム部 システム統括一課
課長 宮崎 健 氏 -
情報システム部 システム統括一課
課長 横田 大典 氏 -
(左から)
- 企業名:
- SBSホールディングス株式会社様
- 所在地:
- 東京都新宿区西新宿8-17-1 住友不動産新宿グランドタワー25階
- 設立:
- 1987年12月16日
- 従業員数:
- 17,554名(うち正社員6,979名グループ全体)
- 事業内容:
- 1987年、SBSグループは「首都圏における即日配送」という当時では革新的なサービスで創業。以来、お客様のビジネスを全面的にサポート・推進する多様な物流サービスを開発してきた。ECビジネスの包括サポートの提供など既成概念にとらわれない革新的な物流サービスでお客様のビジネスを成功につなげている。
Nutanix/AHVでITシステムの全体最適化の課題を解決
変革期を迎えた物流業界にあって急成長を続けるのがSBSグループである。2003年のジャスダック上場後、積極的なM&A戦略によって特色のある物流会社を次々と買収。2013年には東京証券取引所第一部への上場を果たした。売上高も2003年当時の194億円から2018年12月末現在の約2,035億円へ伸び続けている。
急成長の影で、IT活用の面では問題が顕在化していたという。グループ各社は自社のITを使い続け運用していたため、セキュリティ、サービスレベルには格差があった。この個別最適化されたITの改革に挑んだのが2015年にSBSホールディングスの情報システム部長に就任した中川大成氏である。
「グループとして個別最適化されたITシステムの全体最適化が急務でした。クラウドへの全面移行も検討しましたがクラウドだけに依存するのはリスクが大きい。クラウドと併用するかたちで、グループ各社が利用できるプライベートクラウドシステムを構築することにしました」(中川氏)
中川氏は、情報システム部の宮崎健氏と横田大典氏にこれを実現するプラットフォームの選定を指示したが、両氏はあるシステムをその場で推薦したという。
「ハイパーコンバージドインフラストラクチャーのNutanixです。子会社が多いと需要予測が難しいのですがNutanixならスモールスタートが可能で需要増大時には柔軟にスケールアウトできます。グループの共通基盤に最適だと考え以前から情報収集をしていたのです」(横田氏)
「ソフトウエアによる管理でクラウド的なメリットも享受できる。まさに私が求めていた基盤でした」(中川氏)
Nutanix採用の決め手とは
日商エレクトロニクスのラボでの検証後、最終的にNutanixの採用が決まった。決め手となったのは以下である。
まずは処理性能。RDBMS(リレーショナルデータベース)を稼働するため、高い処理能力が求められた。HDD並みに安価ながらオールフラッシュレベルの高速I/Oパフォーマンスを実現するNutanixはこの目的に最適だった。
「ランダムアクセスの検証実験では従来型の物理共有ディスクの100倍という驚異的なパフォーマンスが得られました」(宮崎氏)
クラウドライクな使い勝手もポイントだった。M&Aで会社が次々と加わるSBSグループではシステムのサイジングが難しい。スモールスタートが可能なNutanixにはこの問題の切り札としての期待も寄せられたという。業務要件が拡大しても、パブリッククラウドと同じようにリソースを無限に拡張できる。これによりリソース不足やムダな投資を一掃できる。
また、ソフトウエアのアップグレードにより、ディスクI/Oの性能アップや、Docker、重複排除、アプリケーション構成管理などの新技術をオンラインで追加することができる。
革新的なハイパーバイザーAHVの全面採用へ
Hyper-V版Nutanixを導入し、その安定性を実感した後、情報システム部は共通基盤についての方針を大転換した。Nutanix独自のハイパーバイザーAHV(Acropolis Hypervisor)の全面採用である。AHVは無償でありながら従来のハイパーバイザーと遜色のないパフォーマンスを発揮する。
「Nutanixのロードマップを研究して技術進化のスピードを改めて認識しました。AHVにはCalm、クラウドサービスのNutanix Xi Services、マイクロセグメンテーションといった最新技術がいち早く適用されます。Nutanixの先進性を最大限に享受するにはAHVの採用が最も合理的な選択でした」(宮崎氏)
さらに用途によって複数ツールを必要とする他のハイパーバイザーと違い、AHVならNutanixが提供する管理ツール「Prism」だけで運用できる。
「ストレージも仮想マシンも同一画面で操作でき、管理負荷が大幅に軽減できます。インタフェースもシンプルで使いやすい。特にいち早く機能拡張が適用されるAHV版Prismは洗練度が際立っています」
さらにPrism Centralを使えばハイパーバイザーの異なる複数クラスター、マルチサイトの管理も一元化できる。
「近い将来オンプレミスとクラウドのすべてをPrismで管理できようになるでしょう。その未来をいち早く体験できるのがAHVなのです」
グループの共通基盤の整備はAHVをベースに進められることになった。すでにAHV版のNutanixが導入され、順次拡張していく予定である。
Nutanix/AHV導入後の効果
① クラウドも凌駕 ― 50%のコスト削減
リソースあたりのTCOは、冗長構成された従来型の物理共有ディスクの50%、パブリッククラウドの65%以下。AHVの利用でハイパーバイザー費用も100%削減できた。
「今後グループ各社に従量課金のサービスとしてプライベートクラウドを提供する予定です。Nutanixならその価格を抑えられ、お客様向けサービスもより競争力のある値付けが可能になるでしょう」(中川氏)
② スナップショット1分、運用負荷軽減
Nutanixはクラスター内でのスナップショットベースのバックアップ/リストアができる。メタデータの静止点を取得するため、高速でデータの容量効率も良い。AWSやAzureなどクラウドへのバックアップも可能だ。
「数時間から数日間かかっていた仮想マシンのスナップショットがわずか1分で終了します。仮想マシンごとにスナップショットが取れて、スケジュールも柔軟に組めます」(宮崎氏)
③ Hyper-V+AHVで高セキュリティ
AHV、Hyper-Vの2つのハイパーバイザーを用いることで、片方に脆弱性があった場合でもシステム全体への影響を最小化できる。さらに、AHVはNutanixに特化したセキュリティ機能が組み込まれているため、セキュリティリスクを軽減できる。「ハイパーバイザーレベルでもBCP対策につながっています。」(宮崎氏)
倉庫管理システムからIoTまでもNutanix/AHVで
中川氏は、今回のシステムを3PL事業のサービス価値の向上に活かしていくという。
「物流業務を効率化する情報システムをグループ共通基盤で構築することで、お客様へのサービス提供とニーズ変化への対応をスピードアップしていきます」(中川氏)
直近に構築が予定されているのは倉庫管理システム(WMS)である。
「ピッキング情報のリアルタイム処理が必要なWMSは、処理能力に劣るパブリッククラウドでは扱えません。高速で安定したI/Oパフォーマンスを提供するNutanixによって初めて構築が可能になりました」
今注目されているIoTも最適な分野だという。「多彩なデバイスからのビッグデータを安定して高速処理できるNutanixはIoTシステムの中核となるでしょう」
革新的なNutanix/AHVを選択したSBSグループ。日商エレクトロニクスは、技術サポートを通じて成長にかけたSBSグループの思いを支えていく。
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