以前のブログでAlkira社の基本情報に触れました。
(参考ブログ; ネットワーククラウドの先駆者「Alkira」ってどんな会社?)
今回はAlkiraを採用したKoch Industriesの事例について解説します。
こんな人にオススメ!
- CXO(CEO,CTO,CIO)
- 情報システム部門役職者
- クラウド戦略担当者
エッジクラウドという言葉は数年前から度々キーワードとして登場していましたが、2021年から2022年にかけて本格化していく兆しを見せています。
2019年にリリースされたAWS Outpostsの発表以来、ユーザ環境に近いオンプレミスへAWS環境をセットアップすることで、高速、低遅延のAWS活用が進んでいますが、今回は、エッジの代表格であるローカル5G、IoTに焦点があたった3つの注目新機能発表がありました。
| 企業名 | Koch Industries, Inc. |
| 設立 | 1940年 |
| 売上 | 1,100億ドル |
| 従業員 | 12万人 |
| 事業形態 | オイル・ガス・ソフトウェア・データアナリティクスなどを扱うコングロマリット |
Koch Industries(以降Koch社とする)はAlkira導入前のネットワーク構成はグローバルネットワークを7つ運用しており、70か国に約700の拠点を持っています。
さらに、Alkira導入前は何十万のスイッチポート、何万のアクセスポイント、何千のルータ・ファイアウォール・アプリケーションを所有していており、MPLSベースのネットワークでした。
コングロマリットは多業種の複合企業体を指します。
日本の企業では「楽天グループ会社」「ソニーグループ株式会社」などがコングロマリットです。特徴としては以下が挙げられます。
M&Aや資本提携が多い
管理するネットワークの範囲が頻繁に変わることで、新たに追加するネットワークの設計を行いますが、回数が増えるほどセキュリティ設定や経路など、考慮するべき点が増え構成も複雑になります。
企業規模が大きい
企業規模が大きければ大きいほど、所謂野良クラウドが発生するなど、管理が煩雑になってしまうケースがあります。
グローバルに拠点を持つ
各々の拠点でネットワークを管理するケースが多く、その場合、整合性のとれた運用・監視が難しいです。
Koch社でも上述した特徴をもった企業であり、企業規模拡大による管理の煩雑さの改善とクラウド移行によるネットワークの複雑さの改善は大きな課題点となっていました。
ここからはKoch社によるAlkira導入までのストーリーをご紹介します。
Koch社でのクラウドネットワークの問題点は以下が挙げられました。
- すべての通信がDCを経由した設計になり、拡張の際には時間とコストがかかる
- 事業区分の拡大や吸収合併に伴うインフラ管理単位が広範になり負担増加
- MPLSベースのネットワークにより帯域が制限され、パフォーマンス不足に
吸収合併の際に自社のネットワークに所属させるためにはDC内のインフラの拡張も必要になってきます。
拡張や拠点が増えるたびにネットワーク機器の調達やサービスプロバイダーとの調整がかかるため、コスト・時間も必要になります。
また、事業やグループ企業ごとにネットワークを切り離そうとすれば構成が複雑になったり、セキュリティポリシーが統一できた運用管理が難しくなったりします。
MPLSベースのネットワークは、閉域のキャリア回線を利用することで信頼性の高い通信が実現できる一方、低速主体となっており、コストもかかります。 今後クラウドアクセスが増えるにつれコスト効率が高い且つ、必要な帯域幅を確保したハイパフォーマンスなネットワークアクセス環境を用意する必要が出てきます。
これらを改善するためKoch社はまずデータセンターを切り離すため、クラウドネイティブの機能を実装します。
次に、オンプレの環境にあったクラウドへアクセスするためのトランスポートハブをクラウドに移行し、シンプルなネットワークにしようとしました。また、SD-WAN、専用線を導入しパフォーマンス向上を試みました。
しかし、これらの実現するために2年を費やしたにも関わらず、ネットワークは複雑化し構成を理解した管理は不可能となります。
さらにこの地点で迅速かつ広範なデプロイを実現するための施策はなしです。
この状況で出会ったのがAlkiraでした。
Alkiraはわずか半日で上述した問題を解決しました。
クラウドへアクセスするためのトランスポートハブはすべてAlkiraが担い、複雑化したネットワークの管理も可視化された一つのポータルサイトより可能になりました。
始めはAWSのみの接続でしたが、追加でAzureを導入する際も、通常なら3~6ヵ月かかるところ、1日に短縮できています。
パフォーマンス面でも、SD-WAN、専用線を維持し、AWS-Azure間の通信も回線容量も改善しました。
Alkiraを導入したことにより、以下の要素を実現させました!
- クラウドへの接続方式を選ばない設計に
- Day2の機能により必要なインフラの運用・管理コストを大幅に削減
※Day2の機能はネットワーク構築後の運用・監視のための機能を指します。Alkiraポータルからユーザーのトラフィックやインフラストラクチャーの状態を一元的に管理することができます。 - 簡素化されたクラウドネットワークの設計、展開、運用が可能に
- クラウドフットプリントのグローバルな拡大も容易に
米国での事例が徐々に増えてきており、今後、日本での事例も出てくることでしょう。
米国での事例として公開されているTekion社とWarner Music Groupに関する解説は次回以降のブログで紹介させていただきます。